とても良い / 口コミ件数 : 27件
価格 : 500 円
「ヨーロッパはオレンジ色で、日本は白い」といつかテレビで言っていたのを思い出した。夜景の話だ。蛍光灯の明かりは、戦後の経済成長とともに普及したそうだ。その明るい白色の光は、夜もわたしたちのテンションを上げ、興奮させておくのに役立った。蛍光灯の生活に慣れたわたしにとって、著者の陰翳を賞賛する視点はとても新鮮だった。と同時に、古い日本家屋や寺社仏閣に入ったときに感じる「なんとなく落ち着く」感覚のルーツを発見したような気になって、うれしく思った。日本人としての美意識はわたしにもちゃんと残っていたんだな、と(笑)。古い寺などをまわる前にもう一度読もうと思う。
昔の日本は、夜の長い帳の中、暗い灯りの下でこその優美、耽美な世界を楽しんでいたのだなと、思いました。昭和初期に書かれた本なのに、「日本は、アメリカのマネばかりしようとしている。」など、谷崎氏の辛らつな意見には、今に通ずるところが多く、楽しめます。ドコモかしこも明るくなってしまった日本、この国固有の美的感覚はどこに行ってしまったのかと、残念な気がします。ちょっと日本文化を見直せるいい機会になると思います。。アインシュタインが、日本を訪れた時の印象ものっていました。へー、っという感じでした。お勧めです
陰翳礼賛。日本の伝統美を語る名随筆としてあまりにも有名な作品。であるばかりでなく、同時収録の他の随筆もみな面白いもの揃いです。とりわけ、「な〜んかとっつきにくそう、タルそう」とお思いの方にもお勧めなのが、最後に入っている「厠のいろいろ」。厠、そうトイレです。美しいものにしか興味関心のなさそうなこの著者にしてこのテーマというだけで驚きですが、意外にもかなり楽しそうにうんちくや体験談の数々を披露してくれています。トイレ・エッセイの嚆矢と言ってよいんじゃないかと思われます。そして中国の故事として紹介される理想的な(?)トイレ、というのがまたいかにも凝った奇想の一品なのですが、さてどんな代物か、興味を持たれた方は是非ご自身でご確認下さい。もちろんトイレ内読書にも最適。文豪が一気に身近に感じられる(かもしれない)、短くて楽しい一編です。
初めてこの本を読んだのは学生の頃、蒸し暑い夏だったのを今もよく覚えています。 何故なら、エアコンもなしに読んでいたその時、本の中から心地よい風が心の中を吹き抜けたから。 日本家屋の良さ、日本古来の風習...当たり前のことが当たり前ではなくなった今、本当の四季を感じることさえ薄くなってきた今、この作品を時々無性に読み返したくなります。
陰翳礼讃(いんえいらいさん)これはお勧めです。読み終えたあと、70年程前に書かれたとは思い得ないほど新鮮な感じを受けました。豊かな感受性と表現力を感じて下さい。