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失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 73


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1.  とても良い dream_bladeさん 書き込み日: 2005年01月18日

あなたの会社は、旧日本軍になってませんか?

 とても読み応えのある内容でした。
 また、本書の内容は会社経営にも非常に参考になる点が多いと思いました。

 前半で6つの戦闘の経緯を詳述し、後半で6つの戦闘から帰納的に導かれる日本軍の特質を米国軍と対比することで分析しています。

 読み応えについては、単に後半で、使っている単語・文章が比較的難しい(創造的破壊、下位の組織単位の自立的な環境適応、など)ということもあるかもしれません。

 しかし、文脈で捉えれば容易に理解でき、また前半の各戦闘の説明が非常に詳細な具体例として挙げられていることで、抽象的な言い回しも十分に理解でき、かつ、抽象的にも思える文章に説得力が増します。
 
 各戦闘の敗退の理由にはもちろん、物量に乏しいというのと技術的に立ち遅れていたという日本軍の特色もありますが、本書を読むとそれだけではなく、日本の戦略策定における原則的な考え方や組織上の問題点などが一番の問題だったと言うことがわかります。
 
 さらに言うと、なぜ技術的に立ち遅れていたのかということもその根本的思想に原因があったことがわかり、今までの私の表面的な日本軍像がちょっと変化しました。

 これは、会社経営に大いに通じることがあり、非常に多くの示唆に富んだ内容でした。

 あなたの会社は、旧日本軍になってませんか?

 正直、お勧めです。



2.  とても良い 海援隊さん 書き込み日: 2006年03月06日

日本人の行動特性は変えられないのだろうか

旧日本軍がどうして第二次大戦で負けたのか、ターニングポイントとなったミッドウェー、ガダルカナルなどいくつかの代表的な戦いのケーススタディを通じてその理由と、失敗から得られる教訓を導こうとしている。共著の本にありがちな問題として、文体が変わってそれぞれの章が読みにくいという難点はあるものの、中身はなかなか詰まっている。ケーススタディを通じて、(1)自らの価値観への傾倒と過信、(2)論理性の不足を補うための精神論への依存、(3)対外的な情報収集能力のなさ、(4)組織の硬直化、(5)組織内のコミュニケーション不足など、現在の官僚組織にも通ずるような問題点を明らかにしている。一番なるほどと思ったのが、米軍と日本軍の比較で、日本軍には遊びがなかったという指摘。すべてが順調に進むことを前提に、余裕のないスケジュールと兵站で作戦を組み立てるといった物理的な余裕のなさだけでなく、戦時中にテニスを楽しむなど米軍の持つ精神的な余裕のなさの両方を指しているのだが、これも現代の日本人に通ずるところである。国民性と片づけてしまえば元も子もないが、何とかならないものだろうか。



3.  とても良い 正義の味方さん 書き込み日: 2007年05月04日

旧日本軍の組織と現代日本の組織・・・これは名著である。

ハードカバーの初版から丁度23年、この書は名著である。文章は良く内容はとても面白い。様々な点で、日本人は全く変わっていないと思い知らされる。作戦司令部は兵站無視、情報力軽視、科学的思考方法軽視の風潮があり、独自の風土で硬直的に官僚的な思考で、現場を見ることなく机上でのプラン作り、その上に無責任極まりない。一方で現場に行く参謀本部作戦課の辻政信班長のように、現場で独断専行、無茶苦茶なことしてくれる。闇雲に突破一辺倒と敵戦力の過小評価の牟田口中将は科学的な数字、情報、合理的論理性がない。ある空気によって支配される議論と空気、その場しのぎの中途半端な行動、コンティンジェンシー・プランの欠如、超エリート集団の強固で濃密な人的ネットワーク、「間柄」中心の組織意思決定、その決定の遅れと重大な失敗、相手の過小評価と自己の過大評価、知識・情報の共有の無さ、士官学校、陸大での暗記中心、定型的な教育、信賞必罰の不徹底、どれをとっても現代日本の身の回りにあるようなことで、非常に参考になる。



4.  とても良い livingston_montanaさん 書き込み日: 2003年09月29日

今、考えないといけないこと

本著は言われるまでもなく、組織論の名著であります。

今の日本は、売上の拡大や、シェアのアップなど
高度成長期と同じ成長モデルでの
企業の成長は難しくなっており

本著を通じ教え考えさせられる組織のあり方、
現在の複雑系な組織の中でも、
基本的な組織のあり方は単純なモデルであり、
そのモデルの構築をいかようにすべきか
考えさせられました。

また、10年後、経験をつんでから
再度、読み返さなくてはならないと感じました。



5.  とても良い 戦略三流学者さん 書き込み日: 2007年05月12日

組織を研究するにはよい

本書は第二次世界大戦において、日本軍が何故敗れたのかということについて、日本軍という組織から見た問題点を検証し纏め上げられている。この「失敗の本質」においては、日本企業の病理とも言える組織的な問題を日本軍という官僚組織に焦点を当て分析しているところが面白い。そして、何故、組織というものは同じ失敗を犯してしまうのかということを再度認識させてくれるであろう。
 本書では、作戦、兵站、情報、組織などなど様々な面から、ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦という6つの作戦に焦点を当てて考察している。共通していえることは、敵情判断の甘さ即ち情報軽視、補給軽視、参謀の独善、組織の下克上など様々な問題を投げかけてくる。
 発行から23年を経ているが、ビジネスマンのお勧め本としても本書はベストセラーとなっており、日本軍を研究するもののみならず、組織を運営する人にも読んでもらいたい良書といえる。



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