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日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)

日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)

とても良い / 口コミ件数 : 16


価格 : 840 円





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1.  とても良い 読書好きサラリーマンさん 書き込み日: 2007年11月10日

実態に鋭く切り込んだ良書

日本の統治構造を議論する時には、硬直的だとか、一党独裁だとか、官僚支配だとか、とかく批判的な言質が目立つこの御時世、本書は、かなり異彩を放っています。

そもそも、議院内閣制と大統領制のどちらが首相の権能が強いのか。日本の統治構造は国際的に見て三権分立といえるのか。まず、本書は、歴史や国際比較といった、少々頭の固い話題から入って、日本の姿を洗い出していきます。

その次に、官僚と政治家の間、与党の内部、官僚と政治家と利益団体、というように、徐々に分析の対象を広げ、日本独特の政策決定過程のありのままの姿を描き出していきます。

外国の思想と単純に取り入れるのではなく、政治や行政の内部事情を知らないままのワイドショー的な放談でもなく、現場の実態を積極的に取材し、学術的な分析を加えた上で、今後の在るべき姿を展望する、真に地に足の着いた議論が展開されています。

お勧めです。文句のつけようがありません。



2.  とても良い 馬場伸一さん 書き込み日: 2007年12月21日

思考を刺激する良書

これほど堅い内容でありながら、これほど面白い本は久しぶりだった。
赤線を引きまくりながら一気に読了した。
これからも、ことあるごとに読み返すことになると思う。

特にエキサイティングだったのは、日本の官僚制を「省庁代表制」と喝破したことだ。
なるほど、日本官僚制がまったく民主的正統性を欠きながら「清潔で有能な官僚」という神話を享受できていたのは、そういう仕組みがあってのことだったのかと深く納得した。

おそらくは戦時中の国家総動員体制に発するのだろうが、省庁が国民生活の隅々まで統制できていた時代が確かにあって、それを前提とすることによって、官僚が「政治家は選挙区の利害しか代表していないが、われわれは、関連領域では日本全体の代表だ」(75p)と言うことができたのだろう。

しかし、「省庁代表制」が「代表」することができた「国民」とは、戦時中ないしせいぜい50年代までの利害集団であって、その後に発生した社会集団の利害が「代表」されることはなかった。それはまさに官僚制が民主的制度の裏打ちがない閉じたサークルであったことの限界であり、高度成長以後に発生した重要な社会集団の利害を代表することに失敗しているということが、今日における政策の「手詰まり感」「閉塞感」に直結していると考えられる。

極めて明晰な分析と、有用なキータームを提示してくれることにより、色々なことを考えさせてくれる、本当に刺激的な本である。文句なくお勧めしたい。



3.  とても良い ヒューム部長さん 書き込み日: 2008年03月08日

官僚内閣制とは?

 本書は日本の政治構造がいわゆる「議員内閣制」ではなく、「官僚内閣制」であることを指摘した好著である。本来の議員内閣制の趣旨から言えば、国民の民意は、有権者(選挙)→議員(首相の選出)→首相(大臣の任命・組閣)→大臣(行政の執行)→官僚(大臣の補佐)という一本の線で国政に反映されるわけであるが、筆者によると日本の現状はそうではないことになる。
 そこには自民党政権の長期化、派閥力学による首相選出、党の意向や当選回数による大臣任命、そして官僚の代理人となる大臣、といった要素が議員内閣制本来の制度を歪めている現状が指摘されており、とても興味深い。また内容の割には読みやすく、初学者にも十分理解できる。



4.  とても良い 仮面ライターさん 書き込み日: 2008年02月28日

日本における政治改革の手引書―新しい切り口で日本の統治構造を概説


 かつて、中曽根大勲位が「緋縅の鎧を着けた若武者」の頃、あるいは近年、田中秀征氏が「代謝機能働く国家統治を」(1999年8月9日付「日本経済新聞(経済教室)」)という論考の中で、「首相公選論」を提起したことがあった。本書でも指摘されているように、日本では「議院内閣制は権力を分散させる」とし、それ故「権力強化のためには、大統領制(首相公選制)を採用すべきだ」といった考え方(制度理解)が一部の政治家や言論人等にあったことは否めないだろう。

 「首相公選論」については、私はいわば“誤謬の合成”、つまり「一人ひとりの人が、判断力もあり、知的水準も高くとも、彼らの集合的な判断は、とてつもなく愚かな帰結をもたらす」(佐伯啓思『現代民主主義の病理』)という確信にも似た存意を持っている。それはともかく、先進的な民主政においては、実は「(民意が一元的に代表される)議院内閣制のほうが(民意が議会と二元的に代表される)大統領制よりも権力集中的な制度」(本書P.18〔括弧書きは引用者〕)だということを当書は証示する。

 このような議院内閣制の本来的な在り方をはじめ、本書では「官僚内閣制」「省庁代表制」「政府・与党二元体制」などのキーワードを用いて、私たちの抱いている様々な日本政治(統治構造)の通念を改め、政治制度に関する新たな視座を提示する。そして、たとえば著者は、真の意味での議院内閣制の確立は「政党政治の活性化があって、はじめて成し遂げられるものである」(本書P.209)とも述べているが、こうしたパースペクティブのもとに「平成の民権運動」を推進していくものと思われる。



5.  とても良い misoraさん 書き込み日: 2007年08月25日

政治談義に格好のサブテキスト!!!

え!?、日本って「議院内閣制」じゃなかったんですか!?
「大統領」よりも、「首相」の方が、強いんですか!?

教科書程度の政治の知識しかないわたしにとっては、まさにまさに”目からウロコ”の連続でした。
日本の政治システムを、歴史的に、また、海外と比較をしながら解説。
政治腐敗の原因が、個人的資質もさることながら、「しくみ」にあったということがよく分かります。
最後には、よりよき制度改革に向けた著者の提言もあり、なるほどな〜、と興味深く読了。

とっつきにくそうに見える表紙ですが、文章は決して読みづらくはありません。
相当に読み得な一冊。ほんとうにオススメです!!!



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