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海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年〈上〉 (塩野七生ルネサンス著作集)

海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年〈上〉 (塩野七生ルネサンス著作集)

とても良い / 口コミ件数 : 15


価格 : 1,995 円





クチコミReview一覧
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1.  とても良い yuishiさん 書き込み日: 2004年07月28日

地中海で隆盛を誇った貿易国家を描いた、警句と示唆に富んだ作品

いまではゴンドラと運河、という観光都市の印象が強いヴェネチアの都市国家としての千有余年に渡る歴史を描いた。
地中海で隆盛を誇った貿易国家の興亡の歴史を、「美術史以外、ヴェネチア史ついて書かれた書物が皆無」の日本に紹介した逸品。大部の作品だが、決して難解ではなく、著者独特の硬質の筆致に慣れると大変おもしろく読める。

後年の「ローマ人の物語」でも顕著だが、著者はこの国家の歴史を描くにあたって、単に歴史上の事象を追うのではなく、その背景となる文化、技術、考え方など周辺事象を含め、余さず描いていく。干潟の上につくられた都市の構造から説き起こし、船の構造や発展、銀行や為替といった商業制度とその発展、政治制度、服飾、女性史などなど。もちろん歴史としても、第四回十字軍、ラテン帝国、ジェノヴァとの制海権争い、オスマントルコ・・・と内容には事欠かない。
ヴェネチアが、キリスト教文化圏にあって、十字軍の狂信からも、宗教改革とその反動の独断からも、魔女狩り、異端裁判といった気狂い沙汰からも自由でいられたのはなぜか?

君主制を選ばず、かといって宗教国家でもなく、それでいて強力で統治能力に優れた政体を維持できたのはなぜか?
「すべての国家は、必ず一度は全盛期を迎える。しかし全盛期を何度も持つ国家は珍しい。・・・それを何度も繰り返すのは、意識的な努力の結果だからである。」
などなど、全巻にわたって示唆に富む。



2.  とても良い ともぱぱさん 書き込み日: 2006年09月24日

ローマ人の物語シリーズが終わることを心配な方へ・その3

これまでこのレビュー・タイトルで、「神聖ローマ帝国」と「ビザンツ帝国」の本について書きましたが、ローマ人の物語シリーズが大団円を迎えた後、お薦めする作品の大本命は同じ作者による本作ということになるでしょう。残念ながら文庫本は品切れのようですが、私が持っている文庫本版で上下巻併せて千頁を超す大作。ゲルマン民族に追われ、撃退して独立を保ってから、ナポレオンに滅ぼされるまでの、ヴェネツィア共和国(いかに徹底して君主制を排除したかも丁寧に書かれています。)の悠久の千年の歴史は、必ずや読者を惹きつけてやまないでしょう。ヴェネツィアを中心に、ライヴァル国(例えば同じイタリアならジェノヴァ等の他の海洋国家、イタリア外ではビザンツ帝国やオスマン・トルコ)との抗争、他のイタリア都市国家や法王との集合離散など、イタリア千年の歴史を俯瞰するのに格好の本です。作者には「レパントの海戦」等、本書に取り上げられた1エピソードに焦点を合わせた一連の好著がありますが、まずは本書でマクロ的にヴェネツィアを中心とするイタリアの通史を抑えてから、個々のエピソードの本を読むとよいのではないでしょうか。聖地巡礼パック旅行やヴェネツィアの女たちといった章もあり、本書は当時の人々の生活に目を配ることも忘れていません。これだけ充実した内容でこの分量、一度読み始めるとまさに巻を置くこと能わず、読書の醍醐味を味わうことができるでしょう。



3.  とても良い トシさん 書き込み日: 2001年10月23日

美術館のような都市を残した経済大国

ローマ人の物語で知られる著者であるが、中世ヴェネチアに対する彼女の洞察も、なかなかにすばらしいものがあります。なかでもエルサレム巡礼を記した”パック旅行”など、商人であり経済大国であった彼らの行動を、実におもしろく伝えてくれます。交易に必要なためもあったのでしょうが、他宗教にも寛容な彼らの精神が、どうして現在の西欧諸国に残らなかったのでしょうか。塩野女史の見解を伺てみたいものです。



4.  とても良い わたつみの自游人さん 書き込み日: 2005年05月12日

大国中国と対峙する日本の生き方に多大のヒントが!

 6月末大学のクラスメートでアドリア海・エーゲ海のクルーズに行くことになった。そのクルーズの出港・帰港地が共にベネチアであり、クルーズ終了後更に2日間ベネチア観光の日程をとっていることから、思い立って昔読んだ塩野七生女史の「海の都の物語―ヴェネチア共和国の一千年」を読み直そうと考えた。

 十数年前に読んだ記憶があるが、細部は殆ど忘れていて、今回のクルーズの航路がヴェネチアが地中海の女王として、活躍した通商ルートと重なり合う為、興味は尽きなかった。是非ご一読をお勧める。
 
 歴史としても面白いし、1000年に亘って繁栄を続けた統治機構を作り上げたプロセスなど、政治機構論的にもかつての政治学徒としても勉強になった。「ヴェネチア共和国は資源に恵まれなかった国である。資源に恵まれた陸地型の国家ならば、非効率の統治が続いても、それに耐えていかれる。古代ローマ帝国、ビザンチン帝国、トルコ帝国も、悪政が続いてもそれが帝国崩壊につながるには、長い長い歳月を要した。一方、資源に恵まれないヴェネチアのような国家には、失政は許されない。それはただちに、彼らの存亡につながってくるからである」との指摘は日本と中国との関係にもそのまま通用しそうな議論で、身に詰まされる思いを懐いた。



5.  とても良い ゲバジジさん 書き込み日: 2004年07月13日

「歴史評論」としては抜群の面白さ。

塩野七生はきわめてユニークな作家だと思います。そして、大変な論客でもあります。私が始めて塩野作品を読んだのは、この「海の都の物語ーベネチア共和国の一千年」です。もう15年以上前のことです。分厚い本で一瞬どうしようかと迷いましたが、読みはじめたら推理小説のように止まらなくなり、確か一週間くらいで読んだ記憶があります。それくらい面白い。なぜ面白いのか。これは歴史書ではなく、歴史小説でもない。あえていうなら歴史評論、司馬遼太郎の「街道を行く」のようなものです。文章が上手いのは当然のこととして、さまざまなことのディテールが極めて具体的に記述してある。なぜ、ベネチアという国ができたのか、都市国家の規模としてはさほど大きくはないのになぜかくも長きにわたり地中海で覇権を握れたのか、ひとつひとつわかりやすく書いてあります。「歴史小説で歴史を学んだような気になるな」と言う意見があります。その通りかもしれません。しかし、歴史家の書いたもので面白いものが少ないのも事実です。読みづらい。分かりにくい。面白みがない。だから、こうした歴史評論のようなものがあることは歴史物が好きな私などにはとても重宝です。この本を読んでからというもの、スッカリ塩野フアンになってしまいました。最近、とくに「ローマは一日にしてならず」の刊行がスタートしてからというもの、すべて「ローマ」をもとに論を張られているのはやや食傷気味になるときもありますが、それは他の人の書いたものも読むなどして比較してみればいいのではないか、と思っています。と同時に、歴史小説ではなく、これだけ面白く歴史を語ってくれる作家は非常に少ない、とも感じています。歴史というものはイマジネーションも加えてあれやこれや考えるのが面白いのではないでしょうか。塩野さんの本は知識だけでなく、つねに新しい視点を与えてくれ、もっとも好きな作家の1人です。



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