とても良い / 口コミ件数 : 2件
価格 : 1,260 円
美しい国日本(ドナルドキーン)、国家の品格(藤原正彦)、日本はなぜここまで壊れたのか(マークス寿子)、等々、日本の問題点をついた本がようやく書店の目立つところに置かれるようになってきた。高坂先生は、こうした問題を、1981年に既に指摘されている。すなわち、美徳の喪失、政治の質の低下、文化的退廃、官僚制の肥大化と財政破綻、勤倹から消費偏重へ、想像力と競争力の低下、などのキーワードが、ローマ帝国、ベネチア、オランダ、アメリカという文明の衰亡に範をとって論ぜられており、一読することを薦める。20年以上前に記された著作は、冒頭に掲げた本よりも、より長期の視点を提供していると思う。またこうした本とあわせて読むと、より整理ができる。
文明衰退論の感傷に浸っているのではまるでない。むしろ、文明が或いは日本が世界の中で生き残るためにどうすればいいのかという積極論である。日本人にはアイデンティーがないと言われて久しいが、その根源は日本の通商国家たる国体に依存すると見事までに言い切っている。
アメリカ追従の対イラク政策を見るまでもなく、通商国家の生きる道はこれしかないのであろうか?