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ナショナル・ストーリー・プロジェクト

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とても良い / 口コミ件数 : 6


価格 : 2,730 円





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口コミ件数:6 1 2 次ページ
1.  とても良い maddoggieさん 書き込み日: 2005年07月03日

掬い上げられた人々の声(をあのオースター編集で)

タイトルが示すように、アメリカを物語るような市井の人々の声を拾い上げるラジオ・プロジェクトから生まれた実話集。それも、作家ポール・オースターが妻のアイデアから始め、ラジオで読み上げていたものを本としてまとめたのだという。

作家などではない、普通の人々が誰でも自分の中に持っている物語を掬い上げるというアイデアの素晴らしさは、編集まえがきでオースター自身語っている通りだが、ひねくれもののオレなどが想像してしまうのは、何となく感動的なちょっとイイ話だとかありえない偶然のような信じられない話だとか教訓的な話など、実はいかにもどこかで聞いたことがありそうな典型的な話ばかりが集められているのではないかという先入観だった(偏見なのだろうが、日本でならそんな本にならないだろうか?)。

ところが、ここに描かれている179(+1ってまえがきの話か?)の物語はそういった大げさな語りではなく、信じられないような話も多くあるが、その印象を譬えるなら、映画の中で筋にはあまり関係ないのだが印象に残っている1つのエピソードという感じなのだ。作家が想像して書こうとしても書けるものではない、繊細で細やかな一コマの風景なのである。大きく10のテーマに沿って分けられているが、どんな話が語られるのかは最後まで予想を許さない。こんな話がラジオにたくさん送られてくるとは(1年間で四千通)アメリカの懐の深さを感じないだろうか。要するに、「素晴らしい読書体験だった」などと月並みな言葉で表現する以外に、オレなどには言葉も見つからないほどの得難い本であったということだ。



2.  とても良い 竹の梯子さん 書き込み日: 2006年01月23日

180編の実話を収録。事実は小説を越えたのか?

アメリカの或るラジオ番組で、A短い話Bそして本当にあった話・・・という条件に該当するものを募ったところ、たくさんの応募があった。その中から選りすぐりの180編を「動物」「夢」「家族」「戦争」「死」などにカテゴライズしたものが本書である。1ページや2ページで終わるものが大半なのだけれど、エリザベス・ギルバートやジュンパ・ラヒリの優れた短篇小説を読んだときのような至福の読後感が味わえるものが数多くあった。さりげないスケッチが微笑ましいものもある。また何度読み返しても信じられないようなすごい話が豊富で、まさに「事実は小説よりも奇なり」だ。500ページを越える大書だが、軽量の工夫がされているようで意外に重たくないのもありがたかった。



3.  とても良い ヒデボンさん 書き込み日: 2007年07月24日

朗読もある

 ポール・オースターという、今最も油の乗っているユダヤ人作家と、これまた絶好調の翻訳家柴田元幸という組み合わせがいい。翻訳が間違っている、という指摘もあるが、ほうっておけばいい。「翻訳は意訳に限る」というのが国際人・現代人の真骨頂なのだから。気になるなら、オースター自身の朗読もある原文を読めばいいのだから。それにしても、アメリカ人にはいろんな人間がいるもんだ。特に「物」という章には、非常な経験、ありえない偶然、というのがいろいろ語られていて興味が尽きない。本当に、実話か?と思わず言ってしまいたいような事ばかりだが、ここは書いた本人を信じよう。日本人とのエピソードも何編かある。やはり、この前の戦争がらみが多いが・・・・



4.  とても良い espio999さん 書き込み日: 2006年05月14日

「アメリカ」が語るノンフィクション・ストーリーにして、「アメリカの一庶民」が語るノンフィクション短編集

それぞれのストーリーは共通のテーマに沿って分類、層立てされている。動物にまつわるものから始まり、家族、戦争、愛、そして死にまで至る内容は、それぞれのストーリーを仕上げた個人は別人ではあれ、人生において起こりうるであろう様々なイベントを追体験するかのように構成されている。
その長さは見開きで2、4ページ分くらいのものがほとんど。まれに長いものもあれば1ページだけの短いものもある。美談の類の、いわゆる「良い話」もあれば、気まずい話題、惨めな話もある。喜劇もあればエッセイもあると、非常にバリエーションに飛んでいる。
また、それはアメリカ人、その全体としての代表や政府機関としての声、精神ではなく、アメリカ人自身の声、精神としても受け取れるものなのかもしれない。そしてそれは、Web2.0的文化で解釈するならば、当人達は決してそれを意識しているわけではないのだろうけれども、アメリカ人、もしくはその精神性に対する自分探しと解釈できるのかもしれない。

1冊で2通りの楽しみ方ができる非常に稀有な本と言える。



5.  とても良い ib_pataさん 書き込み日: 2005年07月20日

いっぺんに全てを読むのはもったいない

 「どうも肌合いが違うな…これなら2chの話をまとめた『思い出に残る食事』の方が100倍出来がいい」なんて思って読んでいるうちに「戦争」の章に集められた話には魅了された。

 ストレートフラッシュ同志のポーカー勝負に勝ち仲間たちから8000ドルを巻き上げた兵士が、直後に日本軍の戦闘機に爆撃されて死んでしまうという話。志願制となった日本上陸作戦への参加をひとり部隊でとりやめた兵士が、ハワイへ帰る途中、乗っていた輸送船が機雷で撃沈されて死んでしまうという話。16歳のドイツ少年兵が「朝から何も食べていない」と泣き出してオランダ人の主婦からポテトをもらう話。「『耐え難きを耐え』というヒロヒトのフレーズの主語は私たちだったのだ」と語り始める「1945年のクリスマス」。

 ちなみに「『耐え難きを耐え』という…」の原文はHirohito meant us when he said, "We must bear the un bearable"。

 少しずつ読んでいきたい。



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