本・雑誌 そうか、もう君はいないのかの口コミを検索

トップ本・雑誌さ行の著者そうか、もう君はいないのか
を 商品名

そうか、もう君はいないのか

そうか、もう君はいないのか

とても良い / 口コミ件数 : 24


価格 : 1,260 円





クチコミReview一覧
評価の高い順 評価の低い順 書き込み日の新しい順
口コミ件数:24 1 2 3 4 5 次ページ
1.  とても良い yonda3さん 書き込み日: 2008年06月22日

読んでよかった

戦前生まれらしく、堅くて古風な文体。
その文体をもってしても、抑えきれない出会いと新婚時代のフワフワしたときめき。
「おかしなやつだ」と苦笑いしつつ、優しい目で描写される奥さんの日々の言葉や暮らしぶり。
何十年もの間の、特に劇的とは言えない夫婦の平凡で平和な日々。

この作品は、2007年に亡くなった城山さんの遺稿とのこと。
書き終わっていたわけではなかったようで、抜けている箇所もあるのを、編集者が構成し、第一部としています。
かなり説得力のある構成と、城山さんの抑制された語り口のお陰か、
抜けている部分も「センチメンタルになりすぎるのを恐れて、城山さんはあえて書かなかったのだろう」と思わされます。
しかし、城山さんの娘さんによる第二部を読むと、ああ、城山さんは「書かなかった」んじゃなくて、辛くて書けなかったんだ、
だから後回しになって、書かないままに奥さんのもとに行ってしまったんだ、と思わされます。
第一部の飄々とした城山さん、第二部の慟哭の中、ボロボロになって生きていた城山さん。
その対比が痛ましく、そのためさらに鮮やかに、平凡な夫婦の日々が輝いて感じられます。
そしてそれは私たちに、平凡な日々のかけがえのなさを痛切に思い出させてくれます。
城山さんが、あの世で奥さんと美しい日々を重ねていますように。



2.  とても良い kawaskiさん 書き込み日: 2008年03月06日

「静かに行く者は健やかに行く 健やかに行く者は遠くまで行く」

「五十億の中でただ一人『おい』と呼べる妻へ」の愛惜の回想記、ラブストー
リーです。二人は「喧嘩らしい喧嘩をした覚えがない」(87ページ)そうで
す。

2000年2月に妻、杉浦容子さんは癌で亡くなりました。その直前にニュー
ヨーク在住の息子さんが見舞いに帰国されます。そして城山三郎さんと息子さ
んが病室を出る瞬間、以下のような記述があります。(135ページ)

−−−−
突然、容子がベッドに身を起こしたかと思うと、降りるというより、滑り落ちた。
何事かと驚くまでもなかった。
次の瞬間、容子は息子に向って、直立して挙手の礼。
息子は驚きながらも、容子に向い、直立して挙手の礼を返す。
私はひさしぶりに笑い声をあげた。もちろん、容子も息子も笑顔。
三人が笑っての最後の別れとなった。
−−−−

私の父が胃がんで亡くなる数日前、突然立ち上がって何歩か歩こうとしたこと
を思いだしました。そして父は「今歩いておかないと歩く時がない」と言った
のです。

死ぬ直前までの人間の強烈な生命力を感じさせられました。

下は本書に出て来る城山三郎さんの好きな箴言です。 

「静かに行く者は健やかに行く 健やかに行く者は遠くまで行く」(イタリア
の経済学者パレート)

2時間ほどで読めるおすすめの一冊です。涙をふくティシューを用意してお読
み下さい。



3.  とても良い くにたち蟄居日記さん 書き込み日: 2008年03月15日

本書が湛える底光り

 休日に2時間程度で読みおえた。最後は泣いてしまって困りながら。

 この本は二部構成である。第一部は 城山三郎が書いた 奥様との出会いと死別であり 第二部は 城山三郎の娘さんが書いた 城山三郎の死だ。

 第一部を読んでいて 強く思い出したのは アラーキーの写真集「センチメンタルな旅、冬の旅」である。アラーキーの写真集は 奥様の陽子さんとの新婚旅行と 陽子さんの癌との闘病と其の死を扱った作品だ。
 その写真集と この「そうか もう君はいないのか」は 驚くほど似ている。アラーキーの白黒の写真集が小説のようでもあるし 一方 城山が極めて抑制した文章で書き上げた本書が白黒の写真集のようでもあるのかもしれない。

 泣いてしまったのは 第二部の娘さんの井上紀子さんが書かれた部分だ。ここで見えてくる城山三郎は 彼自身が描いた淡々とした男ではない。最愛の妻を亡くして嗚咽しつづけた夫である。
 そんな第二部を読んだ上で 改めて 第一部を読んでみると 淡々とした文章の底にかすかに見える激情が浮かび上がってくるかのような思いがする。
 この二部の構成が 本書を比類の無い作品に仕上げている。

 死を哀しむのは 動物でも人間だけなのかもしれない。そんな「哀しみ」は時として耐えがたく その人を滅ぼしてしまうこともあろう。但し そんな「哀しみ」という感情を得たことで 僕らだけが感じうるものもあるのではないかと思う。本書が湛える一種の「底光り」は そんな「哀しみ」を感じうるものだけにしか見えないのではないか。
 そんな事も思いながら 読了した。
 



4.  とても良い シャーリーンさん 書き込み日: 2008年03月06日

こんな夫婦の娘だったら・・・・

どれくらい幸せなのだろうかと深く考えました。こんなに奥さんが大好きなだんなさんも今の世の中珍しくなってしまったのではないかと思いました。でも、今からでもこんなだんなさんの永遠の心の支えになるような存在になれたらいいなと思いました。娘には、現実の私は慣れなかったけれども、こんな夫婦を目指すことはできるのではないかと思います。静かに単調にときどき笑ったり楽しいことを考えながら生きていくことがこんなに大切なことで、あれだけの人生を経済小説の中に描いた城山三郎が最後に見せた本音なのだろうと思いました。



5.  とても良い New JJ-K 72さん 書き込み日: 2008年03月07日

亡き奥様への深き愛と感謝の回想記

肝臓癌を患い先立たれた奥様への城山さんの愛と感謝に溢れた回想記です。

父が64歳で癌で他界したこともあり、子の視点で城山さんの言葉を追い、奥様への深い愛と感謝、そして、先立たれた後の大きな喪失感を感じるにつけ、心を強く打たれました。

奥様を図書館で始めて見た時に「天から妖精が落ちてきた」と一目惚れするも、当時高校生の奥様の父の反対でその初恋が終わり、数年後、一橋大学卒業後に地元に教員として戻られてダンスホールで偶然の再会を果たすという運命の糸で結ばれていたお二人のご冥福を心からお祈り致します。

今後、自分の人生で行き詰まりを覚えた時には、その名著「落日燃ゆ」や「指揮官達の特攻」を読み返し、心の座標軸をあるべき所へリセットしていきたいと思います。



1 2 3 4 5 次ページ

文学・評論
思想・社会・ノンフィクション
人文・思想
社会・政治
ノンフィクション
歴史・地理
ビジネス・経済・キャリア
投資・金融・会社経営
科学・テクノロジー
医学・薬学
コンピュータ・インターネット
アート・建築・デザイン
実用・スポーツ・ホビー
資格・検定
暮らし・健康・子育て
旅行ガイド
語学・辞事典・年鑑
教育・学参・受験
こども
コミック・アニメ・BL
タレント写真集
ゲーム攻略本
エンターテイメント
新書・文庫
雑誌
楽譜・スコア・音楽書
古書
カレンダー
ポスター