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累犯障害者

累犯障害者

とても良い / 口コミ件数 : 38


価格 : 1,470 円





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1.  とても良い カスタマーさん 書き込み日: 2008年01月21日

読んだあとが大事

私は平凡な会社員だが、多少福祉分野に携わったことがあり、この本の中にあるような世間一般から隠されている実態の一部は事前に知っていた(障害者の売春婦、ヤクザなど)。
この本が衝撃を与えたことに異論はないが、このような探索型のノンフィクションは読んだあと「では、どうするか?自分にできることは何か?」を考えるのがとても重要だと思う。
よく周囲に目を凝らしてみると、ヤクザが障害者を喰い者にしているような構図が見つかるかもしれない。本の中の人は一般論としてかわいそうだが、周囲の障害者は何をするかわからないから怖い、というダブルスタンダードが問題を見えにくくしているのだと思う。
山本氏の功績は、刑務所に入って障害者受刑者の実態をリポートしたこともあるが(ケガの功名?)、それよりも、日本には日本人が直視しようとしない問題がいろいろとあって、それを明るみにしたことだろう。
文章表現でやや大げさだったり、違和感を感じるところも若干あるが、それを補って余りある意義ある本だと思う。



2.  とても良い 佐藤忠義 さん 書き込み日: 2006年10月11日

知らなかった世界

 本書は、「獄窓記」の著者が服役経験を交え障害者の犯罪をリポートした、画期的なノンフィクションである。
 刑法には、心神喪失者の行為は罰せず心神耗弱者の罪は軽減する旨が定められている。この条文を根拠に、私は知的障害者は犯罪を犯しても通常服役することはないものだと思い、またそうしたあり方に少なからぬ疑問を抱いていた。
 だが、現実は異なっていた。
 14歳未満は刑事未成年として不処罰となるにもかかわらず、知能の面でそれ以下である多くの知的障害者が、実際には刑を受け服役しているというのだ。論理的に反論する能力を持たないため、警察のシナリオどおりの調書が取られ、犯罪者に仕立て上げられた障害者もいたという。
 責任能力の有無にかかわらず、殺人等の重大犯罪を犯した者については情状酌量の余地はあるにせよ、なんらかの刑に服するべきだと私は考えていた。だが、軽度の知的障害であるがゆえに福祉の枠からは外れ、かといって「健常者」が支配する社会には居場所がなく、刑務所が唯一の居場所とならざるをえない累犯障害者の現実を目の当たりにすると、複雑な思いにかられてしまう。
 他にもろうあ者の暴力団の存在や売春する知的障害者の女性たちなど、今まで知りえなかった驚くべき現実を精巧な筆致で書き綴っている。



3.  とても良い りりしはおりさん 書き込み日: 2006年09月25日

現実

見たことのないことばがいっぱい出てくる。累犯障害者、デフ・ファミリー、デフ・コミュニティ、触法障害者などだ。さらに、意外な事実もいっぱい出てくる。ろうあ者が用いる手話と健常者が使う手話には大きな違いがあるなどだ。なんと自分は無知だったんだろうと思う。パラレル・ワールドのようだとも思う。
マスコミでも障害者の犯罪にはほとんど触れないのだという。本書は、そういったほとんど公開されない障害者の犯罪とその背景を明らかにしている。
パラレルワールドなどと書いたが、現実だ。
この現実を知らない人はたくさんいると思うが、そういった人にはぜひ読んでいただきたい本だ。



4.  とても良い 遊鬱さん 書き込み日: 2006年10月30日

セーフティーネットという言葉の重さを噛み締める本。

かつて政治家でもあった著者がまさに決まり文句(山本氏だけでなくね)のように主張していた「セーフティーネットの構築によって安心できる社会を」という言葉について、そのような綺麗なスローガンでは見えてこない悲惨な現実と向き合うことで、同じ「セーフティーネット」の必要性を説く言葉でもここまでも読む、あるいは聞くものの心を打つかということをまさに言葉の力の一つの側面を教えてくれる一冊。

法改正によって法的(それも加害者としてだけど)に障害者は正常者と同等の扱いを受けるようになったが、それは正しかったのだろうか?と人としての尊厳を確保するのは建前としての平等よりも福祉、形式的平等ではなく実質的平等があって始めて現実的でありえるのではないかという結論に否応なく至る。…たとえそれが差別の固定化に繋がる恐れがあるとしても、やはり別の世界を生きているのではないかと。このことは昨今39条の廃止を巡る言説についても敷衍化可能な部分でもあろうと思う。

しかし、ドラマなどでは純真無垢な存在として描かれがちな障害者の綺麗ごとではない、もう一つの社会(ここは是非読んで衝撃を共感していただきたい部分なので避けます)の暗部、翻ってこの社会の冷淡さをとことん突きつけられたとき、この国とはなんなのかと考えざるをえなくなる、目を逸らさずに読まなければいけない一冊であることだけは断言できます。

しかし、今こそ山本譲司氏は政治家たるに相応しいというか、是非とも政治家になって欲しい人材となっている。しかし、皮肉な話のようで本来政治というものが弱者の声を掬い取るものだとすればまさに当たり前のことなんですよね。これが代々の政治家、苗字が同じであればポチでも当選できそうな地盤を有していれば、禊を経たなどと容易に復活できたであろうことを思うたびに嘆息してしまいます、秘書給与の流用という罪自体が本当に軽微なものなだけにね。



5.  とても良い moripuさん 書き込み日: 2007年07月25日

衝撃の事実

大変ショッキングな内容であり、そして予想以上の内容だった。予想以上、というのは「得るものが多かった」という意味だ。

 福祉施設で収容しきれない知的障害者が、罪を犯し服役している…つまり刑務所の一部が福祉施設の代替施設と化してしまっている事実。
「俺ね、これまで生きてきたなかで、ここ(刑務所)が一番暮らしやすかったと思っているんだよ」と語る知的障害を持つ受刑者。

 人類に於ける知的障害者の出生率は2〜3%であるというデータ。受刑者一人当たりに270万円と言う税金が投入されているという事実…

 全てが初めて知ることばかりだった。触法障害者に関する報道が(過剰なほどに)メディアによって自主規制されていることも初めて知った。

 初めて知る事実に驚くとともに、自らの服役経験から障害者福祉に従事するようになったという著者の情熱にも、心動かされるものがあった。前著「獄窓記」も早速読みたい。



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