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そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)

そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)

良い / 口コミ件数 : 20


価格 : 500 円





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1.  とても良い Tochitliさん 書き込み日: 2007年03月22日

心神喪失規定暴走国家日本

題名から勝手に「ある事ない事を書いて人々を必要以上に不安に陥れる本」と想像し読む気が起きなかった本である、

しかし、ある折、この本を薦められたので手にとって読んでみた。非常によく調べられ書かれている。おそらくこの本を書いた後様々な嫌がらせなどを受けたのではないだろうか。
この本で描かれている、刑法39条の超拡大解釈には、殆ど一般の人がおかしいと感じているはずである。
作者が法律に精通している(法学部卒)だけあってその筆は作者の憤りを感じるものの、冷静である。

だいたい人を殺したとき、普通の精神状態であるほうがおかしい。(平然と人を殺せるのが殺人鬼である)興奮状態にあるのが通常なのである。
精神鑑定により、不起訴にするケースは他国でもある、しかし日本の問題はその後の受け皿がない、という事である。
その点もよく調べている。
弁護士は殆どの重大事件で精神鑑定を求め、それが、精神科医や弁護士(人権団体)を経済的に潤しているというは納得いかない、
39条はまさしく「精神障害者」を人として認めていない差別的条文以外のなにものでもない。

何年も前になるが、知り合いが、通り魔的犯行で性的暴行と肉体的(及び精神的)傷害を負った。しかし、新聞に容疑者の名前は出なかったし、結局責任能力なしで不起訴になったと聞く。
彼女は命を取りとめたもののその時の治療代もでず、人生を大きく狂わされた。
その犯人は今も普通に街中を歩いているかもしれない。そういう人がいつ大切なものを奪うかもしれないと考えると不安になる。
私の大学の先生はそういった不安をもつ人たち(私を含め)を「擬似被害者」と言い、39条の必要性を説いていた。
しかし、やはり納得いかない。
39条を摘要するなら、それに伴った受け入れ施設が必要である。この本を読んでそういった考えが深まった。



2.  とても良い mfhtyさん 書き込み日: 2006年12月23日

読むべき本

 刑法第39条「心神喪失者の行為は罰しない。心神耗弱者の行為はその刑を減軽する。」にスポットをあてた本。

 著者の主な主張は、
(1)殺人など重大な行為を犯した者であっても、精神病の疑いがあれば、検察が「起訴前鑑定」を行い起訴を見合わせてしまうことが多い(殺人者の4割が不起訴ななる)。それは、起訴した事件が無罪になれば検察官自身の出世にひびくから。
(2)鑑定は、被疑者の過去の時点の状態をさかのぼって推定するもの。絶対的な判定はできない。さらに、鑑定人によっては、常に心身喪失や心身耗弱の鑑定をする。
(3)裁判官も、極めて安直に刑法第39条を適用し、無罪にしたり減刑したりする傾向にある。
(4)刑法第39条に該当し、無罪や減刑になった者に対する医療上の対策ができていない。
(5)その結果、心身喪失を偽装している疑いの濃い者であっても無罪になり、極めて短期間病院に入院したあと、世間に戻ってくるケースがある。

 10年がかりで執筆したというだけあって、さまざまな事件、文献等にしっかりとあたった上で書いたことが伝わってくる。もちろん読んで楽しい本ではなく、著者自身が書いているように、事件の記述などはむしろ読むのが苦痛な部分もある。
 しかし、著者の主張をどう判断するかはともかくとして、極めて重要なテーマであり、まず読んでみて考えてみることが大事だと思った。



3.  とても良い johnさん 書き込み日: 2007年11月21日

法とはこれほど理不尽か

非常に辛辣な言葉で書かれている。
あえて辛辣に書かれているのだが、反感は全く覚えない。
ということは、現在の刑法がいかに私の感覚からかけ離れたものになっているか、ということである。


刑法第39条。
心神喪失または心神耗弱の場合には無罪、または刑の軽減がなされる。

この条文があるがために、例えば意図的に覚せい剤を使用し、または意図的に酒による酩酊状態に陥って殺人を犯した場合でも、刑の軽減がなされる。
心神耗弱状態だからだ。
「自分で」覚せい剤を使用して、人を殺しても刑が「軽減」されるのだ。

故に自ら覚せい剤を使用し、連続殺人を犯しても刑の軽減がなされ、死刑にはならず、無期懲役と言う十数年で社会復帰出来るシステムとなっている。
そして、殺人者は同じ過ちを繰り返す。

また、著者は精神鑑定不要論も展開している。
いちいちごもっともである。

殺人を犯して取り押さえられた犯人の医療費が我々の税金でまかなわれ、被害者の医療費は全て自己負担という摩訶不思議なシステムが、この近代国家、法治国家日本に存在している



4.  とても良い フィラデルフィアンさん 書き込み日: 2007年01月26日

心神喪失

心神喪失や心神耕弱について、考えるのにとても良い本だと思います。心神喪失や心神耕弱規定の問題点について、浮き彫りにしていると思います。法律を考えるのに良い問題提起をしていると思います。刑法を勉強している人や精神医学を勉強している人は是非読むことをお薦めします。私は、興味深くて一日で読みました。



5.  とても良い Dの卓袱台さん 書き込み日: 2007年02月28日

責任能力が認められないので無罪

?
ならば、責任能力のない人間がシャブ、アルコール、自動車、包丁などのデンジャーなアイテムとともに天下の往来を我がもの顔でのし歩いていた責任は誰がどのように取るのか? いったい、どうなってるんだ!

凄惨な事件に対するビックリ判決。誰もが感じる義憤。その『どうなっているか』の部分について、詳しく啓蒙してくれるのがこの本です。

今日も今日とて、日本法曹会からグレイトなサプライズが飛び出しました。自殺の道連れとして五人もの無辜の市民を殺傷しようとも、それが“悪魔の命令”なら無罪ッ!

民意が圧倒的なら司法の判断も影響を受けざるを得ないのは過去の判例からも明らかなこと。この一冊、もっと読まれるべきでしょう。



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