とても良い / 口コミ件数 : 16件
価格 : 460 円
職業柄、少し違った見方を。企業の種々のマネジメント・システムを勉強していると、基本的なところで東洋的なものと西洋的なものの違いを思い知らされる。西洋の論理的合理性を追究するシステム思考に対して、東洋の人格人徳が仕事をする人治主義的思考。たとえば、医療現場でもシステム思考を追究する西洋と、お医者様は偉い先生様だから間違いは起こさない、疑ったりしちゃ罰が当たると考える東洋。だから組織に不祥事が起こればシステムを直す西洋に対して、不祥事はそれを起こした人が悪いのだから人の首をすげ替えて済ましてしまう東洋。あまり適切な例ではなかったかも知れないが、少し大袈裟に誇張して表現するとこのような違いがある。この合理的システム思考の源はどこから発するのかと考えていたが、このローマ人の物語にひとつの答がある。
元老員と執政官の関係、更にふたりの執政官とその弱点を補う独裁官の誕生、そして護民官の発生過程などを見ていると、システムの国であることがよく分かる。特にこの第2巻がその中心である。自国の発展を願って種々のシステムを考案し、基本的にこのシステムを守ろうとする。何か問題が発生すればシステムを破るのではなく、システムを再検討して新たなシステムに進化させる。ここにシステム三原則(設定 → 厳守 → 進化)が明確に見て取れる。もちろんひとつひとつを見ればきれい事ばかりでは済んでいないのだろうが。このようにシステマティックに思考することは、ある程度それを守りきる市民の意思が必要だが、権力はあくまでも人に所属してしまう日本ではまず考えられない。そのようなことまで考えてしまうほど、奥の深い著述である。
古代西洋史大好き人間にとっては、これはとても面白い本である。字も大きくてすっきり読みやすい。目に優しい。長い長いシリーズの2作目となる本作では、共和政ローマについて語る。共和、といっても今の共和国とは違うもので、王政と民主政の混じったとでも言おうか、大きな権力をもつ役職は存在するけれども、市民の力や声もそこ
そこ反映されている。でも、勿論貴族も平民も皆仲良く幸せに暮らしました、とはいかないわけで、階級間の対立や諸部族との戦闘にもまれながら、ローマが「ゆっくりと、だが着実に」試行錯誤しながら成長していく様子がわかる。研究者のようにきちんと調査したうえで書かれているのがわかる非常な労作。
ケルト人にこてんぱんにやられてから何とか復興していく様子が見もの。
最近300という映画が公開されていたがまさにあの様子が文章から溢れてくる。 いかにスパルタという都市国家が特殊だったか、いかにアテネが反映を極めていたか、そしてその絶頂期のアテネを視察したローマがアテネの真似を全くしなかったのは何故なのか・・・ 2500年経っても人間というのは進化していないのかペルクリスの演説の名文句に唸ってしまう。 そしてペルクリスの「貧しいことは恥ではないが貧しさに安住することは恥だ」の言葉を是非ユルユルの甘えたことを言っている日本人に聞かせてあげたい。
待望の文庫化。うーん、これほど手堅い書き方をしているのに、なぜこんなに面白いんだろう。ローマ人の世界観がよく分かる一冊だと思います。
ケルト民族により、完膚なきまでに叩きのめされたローマがどのように再生していくか、それを丁寧に描いていく、塩野さんの筆に思わず引きずられます。
ローマ史がこれほどおもしろいものだったとは!そして、ローマ人というのがこれほど特異なみんぞくだったとは!まさに、目からうろこ!でした。
ひとまずの結び、のところは何度も読み返してしまいました。とりあえず、第1巻目読了。これからの物語がますます楽しみです。