とても良い / 口コミ件数 : 14件
価格 : 540 円
1985年当時小学一年生だった私は、日航機墜落事故に衝撃的な印象を持ってはいたが、不謹慎ながら歴史上のものと捉えていた感があった。しかし、著者の取材はそれを大きく覆した。誰にでもある日常を、何の前触れも無く、何の落ち度も無く、壊されていった人々の不条理さ無念さ、社会システムの度重なるヒューマンエラーの犠牲となった人々を思うと、本当にやりきれない気持ちでいっぱいになった。とても他人事には思えない。またさらに、『墜落の夏』は事故原因の真実を見つめるため、あらゆる角度からの検証を冷静に試みる。時間をかけて入念に誠意を持って行なった取材であるからこそ、社会システムへの提言に真実味が帯びてくるようである。初版から10年以上経つが、決して色褪せない良書であると思う。
日航機事故というひとつの事件を遺族、生存者、日航社員・・・など、さまざまな視点から声を集め書き切っている。筆者の綿密な取材ぶりが伺えるようだ。しかし、最後の事故原因を究明しようと、飛行機の仕組みについて調べて書いてあるところは、やはり、専門外であるために苦しいところもある。だがそれも、素人にとっては視点が同じだけに分かりやすい。
僕が高校生の時に起こった事故です。 この本には当時新聞に載っていなかったことがたくさん書いてあり、 あの「事故」の詳細が手に取るようにわかります。 特に前半の管制室とパイロットさんたちのやりとりと奇跡的に生き残られた 落合さんのインタビューは実に生々しいです。 特に死を悟った乗客たちの「遺書」(といっても走り書きですが・・・)は 圧倒的な重みを持って読むものに語りかけてきます。 あの「事故」を決して風化させてはいけないです。
筆者の取材精神のすばらしさがわかりました。日航機墜落事故についてかなりの情報がえられます。短所を強いて言えば、ところどころ意味のないと思われる小説風の描写があるところです。ただ、それほど気になるものではないと思います。情報源としては知らないことも多くわかりましたので価値が高いと思います。
非常に高いレベルのノンフィクションだと思う。行き届いた取材、過不足の無い表現、そして構成。悲劇を題材にしながら感情が先走らない、冷静な著者のアングルと筆が素晴らしい。しかも、事故から僅か1年で出版されたところが驚きだ。