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逆説の日本史〈9〉戦国野望編 (小学館文庫)

逆説の日本史〈9〉戦国野望編 (小学館文庫)

良い / 口コミ件数 : 9


価格 : 690 円





クチコミReview一覧
評価の高い順 評価の低い順 書き込み日の新しい順
口コミ件数:9 1 2 次ページ
1.  とても良い 常臨のコブロシキさん 書き込み日: 2005年08月21日

いよいよ織田信長登場

9巻が文庫化となりました。いよいよ織田信長の登場する時代に突入しました。
織田信長の先見性や天才性の分析がなされています。

エポックメイキングな人が出ると、それ以前の「それ」が無かった時代のことが想像できなくなるのが人の常です。
エレキギターの奏法ではエディ・ヴァン・ヘイレンのライトハンド奏法、イングヴェイの登場による「イングヴェイ以降」という言葉。
推理小説では、綾辻行人がデビューしてからの新本格派隆盛の「綾辻以降」という言葉。。

秀吉も家康も現代の私達も、まさに信長のやった画期的なことを「新たな常識」と捉えている「信長以降」の常識に生きていることを痛感させられる一冊です。



2.  とても良い WBCさん 書き込み日: 2006年04月03日

バカ向けの馬鹿が買う本ではない。偏見のない良識ある人が読む本です。

井沢氏の本を良く読めば解って当然なのですが、彼は言霊を否定はしていません。言霊や怨霊信仰などをぬきにして歴史の真実は語れないと啓示しているのです。中にはやや甘い部分も見られますが、彼の歴史に対する考え方は、教科書(受験知識でしか歴史を知らない人間)や文献主義の歴史家たちには一石を投じたと思います。文献と言ってもエビデンスなるとは限らない。歴史は人間がいろんな思惑を持ち、それによって
作られた結果であり、当然その当時の心の内を抜きにしては語れない事が彼の今までの著書を読んできてあらためて認識させられた。



3.  とても良い jiateng4さん 書き込み日: 2008年05月11日

戦国時代を語る前に知っておかなければならないこと

このシリーズもついに、信長を中心とした戦国時代に入りましたが、本書ではその前に、「戦国時代とはなんぞや」について多くの紙面を割いています。

特に印象的なのは、鉄砲伝来についての我々の誤解と、天下人になれた人と、そうでない人との本質的違いについての記述です。

そんな説明をしないで、淡々と時代に沿って話を進めれば良いのに、あえてこのように一般人の(つまり読者の)誤解を最初に解いておいてから話を進める著者の構成はさすがです。

著者が繰り返し力説する、「コロンブスの卵を作った人間が英雄」と言うのも、朝倉孝景の項を読んでようやく理解出来ました。こういった読者に理解させる例示を持ってくるのがとてもうまいですね。



4.  良い 詩織さん 書き込み日: 2007年09月16日

いよいよ戦国時代

「逆説シリーズ」第九作。琉球論、鉄砲伝来、倭寇論を挟んで待望の戦国時代に入る。

冒頭の琉球の紹介は倭寇論への布石だと思うし、それなりに新鮮だったが、東アジアの海洋交通の要衝としての琉球をもっと論じても良かったのではないか。本書における鉄砲伝来の話は、現在では定説になっており新規性がない。この時のポルトガル商人が日本に梅毒をもたらした点に触れなかったのは何らかの配慮か ? 倭寇論は全体としてはゴモットモなのだが、本人が言う通り話がクドイ。ただ、日本人が無意識に思っている「真実は口にしなくても以心伝心で相手に伝わる」という考えが国際的には通用しない事は銘記すべき点だと思う。次いで、いよいよ戦国時代。"隠れた"初の戦国大名、朝倉孝景の「戦国十七条憲法」が再登場する。やはり"初"の人間は偉大である。それに比べ北条早雲は謎の人物である。私は鎌倉時代の北条氏の末裔かと思っていた。毛利元就については、小国の次男から伸し上がったのは知っていたが、これほどの謀略家とは思わなかった。それでいて悪評判の立たない不思議な英雄である。武田信玄の話はライバル上杉謙信と絡んで、やっぱり面白い。当時の兵の9割は農民だったと言う指摘(兵農分離していない)は鋭い。山本勘助に対する軍師論も興味深いが、武田家の編成が「甲州純血主義」にあった所に信玄の限界があったという論にはナルホドと思った。唯一人、信長だけが真の実力主義者だったのである。信玄が農業土木・治水に優れていたという論もうなづける。最後に「天下布武」の公印を掲げ、"本気で"天下統一を目指した信長の独創に触れる。重商主義による兵農分離、宗教勢力に対する徹底した弾圧、鉄砲の早期活用、地名改変、上洛後の部下の統制。まさに時代の常識を破る天才である。

著者の言う通り、読者が最もワクワクする戦国時代に入って来た。これからの波乱に富んだ展開を期待させる秀作。



5.  良い bluepastaさん 書き込み日: 2005年11月06日

人の営みの本質は変わらない

逆説の日本史9巻、「戦国野望編」は、琉球王国、倭寇、戦国時代の実力主義、武田信玄の限界、織田信長の野望と盛りだくさんです。

最初から比べるとだいぶ時代が下ってきて、とくに戦国時代ならではの個性的な役者ぞろいで、一気に読めてしまいます。また時代が下ってきて、古代のものに比べると資料が豊富にあるためか、キャラクターがますます生きいきとしています。氏の視点は、いつの世も人の営みの本質は変わらない、という哲学に基づいているようです。なんでも鵜呑みにするのではなく、特に公式発表などは、まずは疑ってかかること、またどうしてそういう発表のしかたになっているのか、その裏の裏まで読んでみる、そんな知的努力が必要だ、そんなメッセージがこめられているように感じました。

日本という共同体を考察する上での、これが正しいかどうかは別として、有効な視座を提供してくれるように思います。



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