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文明の衝突

文明の衝突

良い / 口コミ件数 : 18


価格 : 2,940 円





クチコミReview一覧
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1.  とても良い tak818さん 書き込み日: 2004年01月05日

価値ある一冊

1993年に『フォーリン・アフェアーズ』誌に掲載されてから10年以上が経った今、ハンチントン氏の見解が再評価されている。そして、世界中の多くの政治家や評論家また、地政学者が、この著書に共感している。前半は「Civilizations」という語の定義に重点が置かれており、我々一般人には少々学術的過ぎる。が、後半は、歴史的かつ文化的背景を踏まえ、冷戦後の国際情勢を論理的に納得のゆくように説明している。西側よりという視点が少なからず懸念されるが、文明の衝突というものは、イデオロギーの対立よりはるかに奥深いのが理解できる。この著書は、現在起こっている紛争を分析する上でも、これから起こりうる出来事を予測する上で、まさに必読本である。平和の代償が問われてる今、世界の中で日本はどうあるべきか改めて考えさせられた。



2.  とても良い ジャパンコモディティーズlwjさん 書き込み日: 2005年02月15日

ここ数年先のアジア地域における国際情勢の指針となる。

 この本は大変に今後の世界情勢の動向を占うのに参考となりました。現在のアメリカ対イラクの図式もこれを読めば理解できるし、今後の中国対東南アジア諸国、日本、そしてアメリカとの対立の図式も見えてきます。
 
 今後の中国の動向には目が離せず、現在の中国の経済発展はいずれ中国とアメリカの対立となるだろう。その時の日本の状況も十分に考察されており、今後起きる可能性の高い東南アジアでの紛争まで、書き記されている。ここ数年先を読むために、ぜひ一読されることをお奨めします。



3.  とても良い 三郎さん 書き込み日: 2006年11月27日

「文明の衝突」から「世界文明」へ?

 この本は、情報豊富で、いろんなことを教えられる。
ただ実際に読んでみると、世間でハンチントンの理論として語られていることと
実際のハンチントンの理論とがずいぶん違っていることがわかる。

 一番重要なポイントは、ハンチントンが「21世紀の初め」の世界についての「ひとつの仮
説」として、「諸文明の衝突」を語っているということである。

つまりずっーと「文明の衝突」の時代が進んでいくという、目的論的な歴史哲学が
語られているわけではないということだ。

 もう一つは、ハンチントンは「世界文明」ということを語っている、ということだ。
これは「諸文明の衝突」が揚棄(止揚)された世界を暗示する言葉のようだ。
ハンチントンは「世界文明」の出現の可能性を排除しないと言っている(77頁)。

 ハンチントンは『第三の波』という本を書いている。これは世界各地における民主化の
「第三の波」ということだ。そして彼は「第四の波」の可能性を論じたこともある。
この論理的な極限は、世界全体の民主化という、フランシス・フクヤマ的な世界と接近するの
だが、さすがにハンチントンは慎重で、そこまでは言わない。

 そうした本質的なハナシだけでなく、宗教や言語、政治闘争の展開論理、トルコと日本の比
較等々、個別に興味深いハナシがたくさん入っており、楽しい本だ。
翻訳も信頼できる。「州」と訳すべきstateを「国家」と訳してしまっているところが、1,2
箇所あった点が気になるだけだ。



4.  とても良い オーナーオブ・ロンリーハーツクラブバンドさん 書き込み日: 2004年08月17日

圧倒的迫力とスケール

著者の最新刊が話題になっていたので、昔の話題作である本著を買ってみました。
理論を単純化し過ぎという批判もあるのでしょうが、そうした視点を提示することに意義があるでしょうし、その比類ない迫力とスケールに、圧倒されます。

湾岸戦争、イラク戦争といった出来事に接するにつれ感じるのは、自分がいかに現代の歴史について無知であるかということです。大学受験で出題されないからという単純な理由で、主に大正以降の日本と世界の歴史について全く勉強しないまま社会人になってしまった自分ですが、そういう人は多いのでは。

今日世界で起こっていることは、一番近い過去との連続であり、縄文・弥生に強い人は受験戦争は戦えますが、現代を生き抜くことは出来ません。

サッカーアジア杯に於ける中国人の敵意むき出しも、ワートレに飛行機をぶち込んだイスラム教徒も根っこにあるのは概ね同じだと知るに至ると、この本のコワサが身に沁みて、ぞっとします。そうした歴史の流れを踏まえず、さしたる覚悟もなく、「純粋な善意」だけで平和やボランティアを唱える人たちにも是非一読をすすめたいところです。

原著は、専門的な馴染みのない英単語が多いのと1文が長いので骨が折れますが、めげずにとばして読んでいくと、繰り返し繰り返しロジカルに論旨が展開していきますのでその内にわかってきます。学者さんの書く、無駄のない文章というのは、こういうものなんでしょうかね。



5.  とても良い longest matchさん 書き込み日: 2007年05月01日

現在進行中のシナリオ

グローバル化が進むと人々はアイデンティティを求めて違いを意識するようになる、という著者の仮説は面白い。著者の視点はアンチ普遍主義、西欧とイスラム原理主義の対立、中国を中心とした東アジア文明圏、といったところだがこれらは少しずつ顕在化してきている。自然とそうなっているのではなく、アメリカが意図的に衰退・撤収していくことにより実現されているようだ。世界が西欧の普遍的価値観によって統一されるより、多様性があったほうがよい、という思想が根底にあるように思う。観念的なフランシス=フクヤマの予測よりサミュエル=ハンチントンのほうが現実的である。まさに現在進行形のシナリオが本書である。



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