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価格 : 780 円
著者は防衛大学を卒業し、毎日新聞の記者になったという経歴の持ち主。地下鉄サリン事件の陸自化学防護隊、日本海の不審船への警告射撃、函館空港へのミグ25亡命事件、沖縄でのソ連偵察機への警告射撃の4つの出来事の現場の指揮官のギリギリの選択を描いている。場合によっては「法の精神に従い、法を乗り越え」なくてはならない状況に遭遇する。根本的には、緊急時のことを想定していない法体系の問題なのだが、こうした事件に対し、現場の指揮官は「想定外」といった言い訳ができない。そういった現場の指揮官の苦悩をうまくまとめている本である。ただ4つのうち、うしろの2つはかなり前の事件なので、若い人は知らないかもしれないなぁ。
「地下鉄サリン事件」「能登半島沖不審船事件」「ミグ25事件」「12・9警告射撃事件」「同時多発テロ」の5つの事件における、現場指揮官の状況把握と判断を直接取材した力作。筆者は防衛大学校を出て新聞記者の道に進んだ変わり種(?)で、自衛隊の内実を良く知るだけに、やや思い入れ過多に感じる描写もなきにしもあらずだが、「戦争の放棄」を謳った憲法9条の“理想”と、力と力のぶつかり合いという国際政治の“現実”のはざまで浮遊する組織の苦悩が、ひしひしと伝わってくる。そうさせているのは私たち国民であるということを肝に銘じて、これからどうするべきか、より現実的な選択をしていかないといけないなあと思った。