私は心理的(情緒的)虐待を主に受けて育ちました。 これまでの虐待関係の書籍では、身体的虐待やネグレクト、性的虐待のことは語られても、情緒的虐待について詳しく述べられたものはあまりありませんでした。この本は情緒的虐待に初めてスポットを当ててくれた画期的な一冊だと思います。 私はこの本を読んで泣きました。少しずつ読んでは泣きました。 書籍を介して一種のセラピー的なものを著者から受け取っていたのだと思います。 この本の中で、特に「親を許さなくてよい」という主張は瞠目に値します。 各種心理学関連書籍で「ゆるしがいやしにつながる」といった主張をされている方々がおられますが、こと虐待に関しては絶対に違うと思います。 虐待していた親を許すということは、自分が虐待されていた状況を許すということです。自分は虐待されても仕方なかったんだと認めることです。 そんなことはできません。私も、ほかの誰だって、世界中の誰だって、虐待されて当然な子どもなんていません。 だから、私たち虐待を受けたものは、「親が未熟だったのだ」「親が間違っていたのだ」というところから、自分の価値観を見直す必要があるのです。 最近衝撃的な虐待事件が相次いでいます。表面的に一種の社会現象と捉えて済ましてしまう人もいるかとは思います。 でも、本格的に虐待とはどんなことなのか、人にどんな影響を与えて、どんな治療がなされるのか、といったことに関心のある方にはお薦めの一冊です。文庫化で購入しやすくなっていますし。 どうか虐待問題に関する知識を、もっと、みんな、もってください。 |