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放課後 (講談社文庫)

放課後 (講談社文庫)

良い / 口コミ件数 : 65


価格 : 600 円





クチコミReview一覧
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1.  とても良い crowさん 書き込み日: 2004年08月12日

張り詰めた透明感

タイトル、背表紙解説から『青春物はちょっと・・・』と敬遠していた作品。
それでもなんとなく気になって、結局読んでみることに。
そして、そうして良かったと、納得できた作品だった。

舞台が女子高というだけで、主人公は何事にも冷めた視線を注ぎ、
良く言えば冷静、悪く言えば事なかれ主義の男性教師。

登場する生徒たちは一癖もふた癖あり、かつ大人びた部分と
高校生らしさを共棲させている様が絶妙に描かれて、
そう、『押し付けがましさ』がないというのが一番だろうか。
またいつもの東野作品どおり、タイトルの付け方、
文中でのその生かし方も鮮やかというほかない。

さらには刑事もほとんどフルに登場する推理小説でありながら、

最後の最後まで、事件はひとつとして解決しない。
とはいえ謎解きとしての幕は綺麗に引かれているから、
謎が残ったままということではない。
読後に残るのは、張り詰めた透明感、とでもいうところか。
この物語の本当の部分は、最後のページから始まるのかもしれない。



2.  とても良い するめいかさん 書き込み日: 2005年10月21日

面白いです

 とても二十年前の作品だとは思えない。
 話も結構複雑に入り組んでいて、学校とそれを取り巻く環境が非常によくかけていると思う。
 ただ、犯人とトリックはけっこうわかりやすいものだと思うが、それでもラストのオチはなかなかよかったと思う。
 動機について、それはないだろという意見をよく聞きますけど、少なくとも金のためとか陳腐な愛憎劇なんかよりも数百倍もいいと思う。
 やはりデビュー時からきちっとレベルの高いものをかいてるなぁ、と感心する。



3.  とても良い minoru223さん 書き込み日: 2004年06月23日

記念すべきデビュー作

江戸川乱歩賞を受賞した東野圭吾のデビュー作。デビュー作でこれだけ面白く、かつ複雑な作品を書けてしまうというのは、東野圭吾というのは恐ろしい人です。なんと言っても、たとえ殺人が起きなくても面白い作品になっただろうと思われるくらい、日常のディテールの描き方に味があるのです。単に女子校の教諭の日常を描く小説に方向転換しても、十分に通用すると思わせます。そこへ持ってきて飛びきりのトリックが用意されているのだからたまりません。この本を読んで面白いと思わない人は、どの推理小説を読んでも楽しめない体質なのではないでしょうか。

著者が得意とする読後感の悪さ(良い意味で)や、決して悪人ではない普通の人間の心の闇に焦点を当てる趣向も既に全開しています。それにしても、女子校の教師という職業に憧れを感じる男性は多いと思いますが、この本を読んだらそんな気持ちはうち砕かれますよ。



4.  とても良い sasabonさん 書き込み日: 2006年05月28日

新鮮な驚きを作品全体から感じました

『容疑者Xの献身』で第134回(2006年)直木賞受賞した東野圭吾のデビュー作『放課後』を読みました。本作品で第31回江戸川乱歩賞を受賞しました。

背表紙に書かれてあるあらすじをご紹介してから感想にはいります。「校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。先生を二人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、先生をナンパするアーチェリー部の主将─犯人候補は続々登場する。そして、運動会の仮装行列で第二の殺人が…」

文章が上手ですね。展開も早いので、ミステリーに必要なワクワク感を損なわないので、大変読みやすい仕上がりになっています。密室トリックもモティーフに使用していますが、推理小説にありがちな単なる「密室モノ」ではなく犯人の絞りこみに必要な要素を盛り込んだ設定の必然性に惹かれました。

この本の書評によく書かれている「殺人の動機というものの必然性が薄い」ということが上げられています。それが作品の展開や読後感を損なうもので無いと感じていますので、別段気にはなりませんでしたね。

最近も旺盛な執筆活動を続けている東野圭吾の若き日の作品を是非手に取ってください。



5.  とても良い ユウマさん 書き込み日: 2007年12月01日

これはすごい

犯人を途中からあらかた目をつけて読んでいたが、やはり当たっていた。

しかし、それを導かせてくれたのは伏線である。
登場人物たちの言葉、行動、意味のない文章だと思っていたのは全て伏線だったという事を読んだ後によく分かる作品である。
その何気なさがとにかくうまい。
これがデビュー作品だと聞いて、尚驚いた。
どうやら東野さんは江戸川乱歩賞に三回送り、どれもが最終選考に残っている。
三回目で念願のデビューをはたせたというわけだ。
その三回のなかに「卒業」もある。
この人はミステリ作家になるべくしてなった人だと思う。
どれも完成度が高い。
この作品の最後の話になるが、読んだあなたはこのオチにもっと驚くだろう。



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