本・雑誌 朝鮮紀行―英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)の口コミを検索

トップ本・雑誌アジア朝鮮紀行―英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)
を 商品名

朝鮮紀行―英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)

朝鮮紀行―英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 17


価格 : 1,733 円





クチコミReview一覧
評価の高い順 評価の低い順 書き込み日の新しい順
口コミ件数:17 1 2 3 4 次ページ
1.  とても良い enuyonさん 書き込み日: 2005年08月04日

著者の冷酷な視線が突き刺さる

先進国のインテリである著者は、あたかも研究対象を観察する学者のごとく末期李朝を眺める。その自分の価値観に疑いを持たない著者の姿勢は批判も可能だろうが、物分りの良い文化相対主義を粉砕するほど彼女の描く李朝末期の実情は惨い。
とかく評価の割れる閔妃に関する記述も面白い、著者の目には意欲のある賢い人間と映ったようだ。



2.  とても良い yamashinaさん 書き込み日: 2003年08月31日

英国女性は強い

当時62ー65才の英国女性の気力と体力に圧倒された。中国人の従僕から「朝までちゃんと生きていてくださいよ」といわれた不潔と悪臭と蒸熱の宿、遼河の洪水の中、寝具まで濡れた船旅、など、とてもこんな人にはかなわないなあと思った。また、ソウルの商店の商品を26種、屋台の商品を23種数え上げる観察眼はどうだろう。随所に、個別的なものを徹底的に観察記録する記憶に長けた知性がうかがわれる。たいへん読みごたえがある。ただ、英国人だから料理の評価は割り引いて読まなければとは思う。

夏にもオンドルに炊事の煙がいやでも通るので、部屋がものすごく暑くなるということには、不祥まったく気がつかなかった。朝鮮の家屋は「冬をむねとして」造ってあるらしい。借金という名目の搾取が日塊??に行われていて、居候が恥どころか威張っているという記事は多いに考えさせられた。35章のムダンの記述など文化人類学の論文より詳しそうだ。金剛山の山寺は特に美しく記述されているが、1950年以降どうなったか心苦しく感じた。当時の少年僧なら生きていたかもしれない。

朝鮮だけでなく、清の奉天、ウラジオストクの記述もあり、得したような感じと共に興味深く読んだ。沿海州に入植した朝鮮人の農家には「本国では高級官僚の家ですらめったに見られないような家具がふんだんにある」という指摘もあった。ロシアの警察署長が不潔を監視しているのは、戦前の台湾を思わせた。ロシア革命以後、彼らはうまくやったのだろうか?

原書は現在、かなり高い本なので、読み易い訳文の翻訳書を買えるのはありがたいのだが、翻訳の底本、省略の有無などの解題がないのは困る。英語タイトルさえわからないのだ。



3.  とても良い kan7dragonさん 書き込み日: 2008年03月06日

日本人を嫌悪していた朝鮮

この書を読むと、当時の朝鮮が日本人を嫌悪していたことがよく分かります。
文化的に優れていると思いこむことで、日本を倭国と卑下しつつも、
事実として日本が優れた国力を保持していることを否定できなかったということでしょう。
イザベラ・バードは、当時の行幸の様子を客観的な目で語り、評価しています。
行幸では、古風な現実的でないいでたちで高級官僚が行列をつくり、これに対して
朝鮮の官僚は行幸のいでたちのままで国を守ることを使命とされていると嘲笑します。
また、日清戦争を挟んで、清国兵が蛮行に及んだことに比較して日本兵がいかに紳士的であったのか、
それでも清国兵以上に日本兵に嫌悪感を憶える朝鮮民衆の姿を第三者の目から冷静に語っています。
韓国における反日という感情を正確に理解するためには、
日本が韓国を併合した以前の朝鮮そのものを外国人の目を通して眺めることが必要です。
本書は、その模範解答といえるものでしょう。



4.  とても良い petroniusさん 書き込み日: 2008年02月26日

近代アジアの最高の旅行記の一つ

 どうも政治的というか日本統治前後の朝鮮についてのネタ本的な扱いを受けている
本書ですが、そのような扱いは不当というべきでしょう。
 著者は執筆時60を過ぎたおばあちゃんとも言える方ですが、その好奇心、理性、
分析力、鉄の意志を兼ね備えた姿は、我々一般の読者を圧倒する迫力を持っています。
 著者の価値観は、キリスト教的、帝国主義的な点で若干の違和感はあるものの、
ほぼ現代日本の人間と一致します。これに加えて、非常に細部にまでいたる観察眼に
よって、当時の朝鮮の状況を生き生きと思い浮かべることができるという点で、
本書の価値は極めて高いといえるでしょう。
 さらに加えて、一般の歴史書では知りようも無い、朝鮮の民衆の日常生活、信仰、
さらには朝鮮王宮内の様子を、必要な場合はデータも示して描写しています。
 これらの光景は同時代人にとっては、取るに足りない情報として切り捨てられて
しまうために、残念ながら後世に残らないものが多いのですが、著者によって忘却を
免れたことは、(「日本奥地紀行」などともあわせて)後世に生きる我々は素直に
喜ぶべきことでしょう。
 この本を見て何を考えるかは、読者それぞれの自由だと思いますが、私個人としては
歴史というのは、非難の武器としてではなく、自戒の為に学ぶものだと考えています。
両班や朝鮮政府、ロシアの朝鮮族の描写は、その点で考えさせられるものがありました。

 ともあれ、一級の知的擬似体験のできる書籍です。買って損はありません。



5.  とても良い 射手座さん 書き込み日: 2007年01月26日

民族を超えた普遍的な視点

 齢60を超えた(しかも身体障害のある)英国老婦人が交通事情の悪い当時の朝鮮奥地を分け入っていく様も凄いのですが、産業・階級・交通など様々な分野について余すところなく19世紀後半の李朝の末期状況を伝えてくれる点、痒いところに手が届く感がします。既出のレビューにあるように、上層部の腐敗を助長する悪しき身分制度が庶民のやる気を阻害し、それがまた経済停滞を招くという悪循環が全巻にわたって描き出されます。
 ただ、このような事実は個々の朝鮮人の能力を貶めることにはつながりません。バードは、母国の圧政から当時ロシアの勢力下にあった中国東北部(満洲)へと逃れた朝鮮人農民が豊かに暮らしている様に出会います。働きに対してきちんと報酬が与えられれば彼等も目に見えて成果をあげることができることを観察力確かな彼女は見逃しません。インセンティブとモティべーションのあり方は、時代や民族を超えて普遍的なものであることを本書は端無くも教えてくれるのです。
 バードがこのような普遍的視点を持ちえたことは、一見矛盾するようですが、彼女がビクトリア朝の英国人であったことと無関係ではない、と思います。ダーウィンの進化論を持ち出すまでもなく現代に影響を及ぼす多くの科学的思考は、当時英国で形成されました。彼等は「英国」に限定せず最初から人類普遍の理論や学問を志し成功したのです。このような視点を共有できたバード(女権運動の魁とも評価される人物)だからこそ、地球の反対側まで旅行し、そこで見た文物を公平中立な目で観察することができたのでしょう。彼女が旅した東アジア諸国(彼女は日本・中国についても旅行記を残しています)が今一番必要としているのはこの視点かもしれませんね。



1 2 3 4 次ページ

文学・評論
思想・社会・ノンフィクション
人文・思想
社会・政治
ノンフィクション
歴史・地理
ビジネス・経済・キャリア
投資・金融・会社経営
科学・テクノロジー
医学・薬学
コンピュータ・インターネット
アート・建築・デザイン
実用・スポーツ・ホビー
資格・検定
暮らし・健康・子育て
旅行ガイド
語学・辞事典・年鑑
教育・学参・受験
こども
漫画・アニメ・BL
タレント写真集
ゲーム攻略本
エンターテイメント
新書・文庫
雑誌
楽譜・スコア・音楽書
古書
カレンダー
ポスター