とても良い / 口コミ件数 : 44件
価格 : 740 円
読みやすい本です。それもそのはず。「野性時代」平成十八年一月号〜六月号「千年、働いてきました〜日本の不倒企業」の題を改め、加筆修正したものだと巻末に断り書きがある。 始まりは、世界中で使われているケータイに日本の老舗の技術がたくさん使われているという印象深い話で始まる。読者は飽きることなく夢中で読んでしまうでしょう。 中国進出にまつわる話も、よい面も、問題のある面も両論併記。 また、創業以来の本業は大切にしつつ、培って来た技術を応用して新たな技術を開発する。企業としての「人格」が一貫しているという印象を受けた。
内容は面白い。着眼点がいい。一気に読んだ。日本にはそう大きくなくても、世界に誇れる独自の技術力を持っている会社がたくさんあるが、本書はその中から100年以上の歴史を持つ企業に焦点を当てて紹介している。 特に、「伝統は革新の連続」というキーワードは心に残った。実際、本書に出ている老舗企業の多くはコア・コンピテンスを大切にしながら時代に合わせてそれをうまく新たなイノベーションにつなげていることが良くわかる。米国にはイノベーションに関して考察した優れた著作がたくさんあるが、本書の事例はそのようなビジネススクール向けの研究対象としても興味深いケーススタディになるだろう。クリステンセンやポーターや故ドラッカーなら、これらの企業の強さの秘訣や背景をどのように分析するだろうか。少し知りたい気もする。 ただ、本書のタイトルの「千年、働いてきました」というのは本書の19社中でただ1社だけである。ある程度印税を稼ぐことを意識しなければならないことは理解するが、誇張し過ぎない適切なタイトルは他にもある筈だ。100年以上の会社を集めたのだから、どうして正直に「百年以上、働いてきました」にしないのか。本文にこのような誇張はないと信じたいが。この点については、本書の著者は取材した老舗企業の方々の誠実さを学ぶべきだ。
日本のビジネス界は、少々おかしくなっていると思う。 雪印しかり、不二家しかり、ミートホープなどは論外だ。 本書は「千年……」と謳っているが、 取り上げられているのは、大半は100年〜200年の老舗である。 しかしだからといって、「看板に偽りあり」というわけではない。 取り上げられている十数社の中には、 キンチョールの「大日本除虫菊」、墨の「呉竹」(筆ペンが有名)などもあるし、 たとえば携帯電話の中のバイブ機能に使われている部品をつくっている老舗もある。 ドキュメンタリーとして、一級品の本だと思う。 惜しむらくは、それぞれの事例でもう少し掘り下げが欲しかった。 企業が長く続くには、本業以外に安易に手を出さないこと……などの 「家訓」が、どの会社にもあるそうだ。 ある意味で経営の真髄を問い直す力作だといえるだろう。
世界一古い会社って、どの会社かご存知? この本によると、それは関西にある「金剛組」。 日本書紀にある難波の四天王寺の建築に携わった会社(!)だそうである。 この会社に寄らず日本には老舗と言われる創業が古い会社が突出して多い。 しかも製造業が。それは、職人を尊ぶ文化的な背景があるという。 老舗と呼ばれる企業を実際に取材した内容で構成されていて、 何故その企業が生き残ったのか、今老舗といわれる企業は何を作っているのか、 何故海外で(特にアジアで)老舗が少ないのか、などが述べられています。 とにかく読んでいて新たな発見がある楽しい本。 ちなみに日本で職人が尊ばれる理由は、古事記の影響なのでは? 日本古来の神様は、全て手に職を持って、みんな働いてますもの。
世界最古の企業は1400年の歴史を持っている。 まったく実感のわかないスケールでの展開に、 興味を抱いて手にとってしまいました。 そして1000年とまでは行かなくても、 日本には創業数百年という企業がごろごろしている事に、 また驚かされる。 世界の中でも特異的な現象だということも本書を読むことにより、 教えられる。 なぜ日本でそのような企業が生まれて引き継がれているのか。 "伝統を守る"という言葉だけでは成り立たない歴史。 時代に合わせて変わる部分と変わらない本業の部分が、 老舗企業に対するインタビューの中で、 ひしひしと伝わってくる。