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日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)

日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)

とても良い / 口コミ件数 : 38


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1.  とても良い さん 書き込み日: 2004年06月22日

きわめて説得力ある「失敗の本質」論

「日本人とユダヤ人」偽著者論争以来、山本氏に興味を持ったことがなかったが、
書店でふと手に取った本書は、立ち読みして止められなくなり、購入したが非常におもしろく、
かつ永久保存版にして、何度も読み返したいと思わされる内容であった。
敗因分析については、様々な本を読んできたつもりであったが、

それでも本書により、自分が全く知らなかった戦地における日常というものを知らされた。
「お国のためにと会社を辞めてきてみれば、現地に着いてもすることが無い」
「兵隊をこんなに送られてきても困る」等という描写は、
「失敗の本質」を浮き彫りにするものであり、また現在の我々にも決して無縁なものではなく、

(であるからこそ、何度も読み返したいと思うのであるが)
「戦火に逃げ惑う親子」「大本営の現状認識の甘さ」等などという、
よく聞く戦争論よりもある意味で非常にショッキングだった。
バシー海峡の鬼気迫る兵員輸送状況こそ、餓島での死屍累々という情景以上に、もっと世に知られてよいのではないか。

唯一指摘すべき点があるとしたら、これを「日本人」の問題とする点である。
敗因分析はよく英米との対比で語られるが、それではもし同じ状況に置かれたのが、
日本人でなく他のアジア人だったら、ドイツ人だったらどうだったのか、という点は、論議を待ちたいところである。

同書は、敗因分析を超えて、「いつ書いたのか」「どこで書いたのか」「誰がどういう立場で書いたのか」
という視点から見る、「信じうる報道のスタイル」という点も学ぶところが多かった。
左へ右へとよれてきた日本の自己反省が、この時期にこういう冷厳な事実分析に立ち戻り、より信じうるものとなってきた。

今の時代に、本書を改めて刊行してくださったご担当者の慧眼に感謝したい。
著者の他の太平洋戦争物も全て読んでみたいと思っている。



2.  とても良い benkeiuさん 書き込み日: 2004年04月05日

日本人、このか弱きもの

「私の中の日本軍」「空気の研究」など、自らの戦争体験をもとに痛烈な日本人論を著してきた山本七平氏が、小松真一という同時代の技術者による「虜人日記」という著書を評論する形で、旧日本軍の太平洋戦争での敗因を論じています。「失敗の本質」(戸部良一他、中公文庫)はじめ、日本の敗因を分析した著書は数多くありますが、戦場における軍という組織と人を、これほど現場感覚をもって語っている著作というのは実はあまりないのではないでしょうか。

山本氏によれば、小松氏は敗因を21項目挙げています。例えば、「物量、物資・・・米国と比べ問題にならなかった」「陸海軍の不協力」など、よく言われているものもありますが、一方で、「精兵主義の軍隊に精兵がいなかったこと」「精神的に弱かった」「ひとりよがりで同情心ないこと」「日本文化に普遍性なきこと」等、一見するとあれっ、と感じるようなものもいろいろ出てきます。しかし本書を読み進めていくと、小松氏の著述と山本氏の体験がオーバーラップし、その圧倒的な臨場感で各項目の言わんとしていることに納得させられてしまうのです。

本書は1975年の雑誌連載をまとめたものなので、当時の組合や学生運動など、少々古臭い記述も散見されますが、ではそれから我々は何が変わったろうか、と自省させられることにもなります。

余談ですが、本書で若き日の田原総一郎氏の記事が山本氏にこき下ろされている箇所がありますが、この人って昔からこういう人だったのね、とおかしくなりました。



3.  とても良い 新書派さん 書き込み日: 2006年11月17日

勉強になりました

歴史は苦手ですしあまり興味もありません。この本もたまたま目に付いて読んでみただけでした。しかし読んでみると非常に戦争、日本、未来について考えさせられました。歴史に興味がない人でも一読の価値ありです。戦争で知らなかった一面を知ることができて大変有意義でした。もう1回読んでみたいと思います。



4.  とても良い 本が好きさん 書き込み日: 2006年09月04日

歴史から学ぶことの大切さを感じさせられます。

 小松真一さんの「虜人日記」を基に同じフィリピン戦線で従軍経験のある山本七平さんが評論考察した
ものですが、歴史資料としては「現地性」と「同時性」という二つの評価基準に照らし合わせて評価する必要が
あること、著者曰く、「30年ぶりに本物の記録に巡り会った」と感じた意味が読んでみて解りました。

 小松さんの技術者としての冷静で客観的な視点で終戦直後の収容所内で書かれた記録、なぜ日本が
敗れたのか。
 小松さんが指摘した失敗の21箇条:「バシー海峡」、「日本文化に普遍性なき為」、「指導者に生物学的
常識がなかった事」等今まで聞いたことも無い項目が並び、頭の中で疑問符がいくつも浮かびましたが、
読み進めてみて納得しました。
 今まで聞いてきた「物量で負けた」、「技術で負けた」そんな簡単な総括では済まされない「物量があ
っても」、「技術があっても」勝てなかったと思います。 それ以前に[物量がないことは最初から
解っていた。」それなのに「なぜ戦う羽目になったのか?」、「物量の不足を補う工夫は出来なかったのか?」
そういう常識が全て無視されてしまったことに根の深さを感じます。
 戦後、経済に形を変えて同じ間違いをすることがしっかり予言されていてそれが的中してしまっていること
に愕然としました。
 最近、戦争関連の本を読んでいますがアメリカ側で先の大戦を批判したヘレン・ミアーズ著[アメリカの鏡
:日本」を読みましたが、この本が終戦後に出版されたのに対して小松さんの「虜人日記」が出版されるまで
戦後30年掛かってしまうことに本当の問題があるような気がします。

 「過去を正しく分析しなければ、現在の出来事を正しく見ることは出来ない」とはチャーチルの言葉で
今、この時期に戦後に総括をしっかりやっておかないと昨今の「反日」イデオロギーに流されて自分たちの
歴史も文化も失っていくような気がします。
この本は、何度も読み返して理解を深めるべき本だと言えます。
一人でも多くの人に読んでもらいたい本です。



5.  とても良い BBQ Bobさん 書き込み日: 2007年09月28日

文句なし

淡々と語られる内容にうなずくばかりだった。

私は20年程前、卒業後、数年間日本の銀行に勤務していた。当時、支店長から「仕事は努力・根性・汗」が全てだ、あるいは、「考える前に動け」と毎日怒鳴られていた。目の前に顧客データがあるにもかかわらず・・・
活動の目的を聞くと、「若造が何を言う!」と言われたものだ。強い疑問に感じ、その後グローバル企業に転職した。

そこではOGSM(Objective-目的・Goal-ゴール・Strategy-戦略・Measurement-計測)の考えを徹底的に教え込まれた。すべての活動はロジカルである。希望的観測だけで物事は進まない。

私が経験した、日米企業の相違は、本書の敗因の多くの項目に合致する。それだけに本書の内容の深さ・客観性・凄みを肌でで感じ、恐れ入いった。

外資企業を知る上でのテキストにもなりえると思う。



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