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もの食う人びと (角川文庫)

もの食う人びと (角川文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 39


価格 : 720 円





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1.  とても良い ナカヤンJPさん 書き込み日: 2007年02月05日

「食う」ではなく「食」に関する本だ

一言で言えば、深い。
それに尽きる。

人は食わねば生きては行けぬ。
その「食う」にフォーカスした本だと思ったが、
読んでみると人の「食」に注目した本なのだ。
人は生きるため、好むと好まざるとに関わらず、
何かを食べて生き、食べなければ死ぬ。
そんな当たり前のことを淡々と綴っている。

この本を読んで、山岡俊介氏の記事を思い出した。

ピュリッツアー賞候補にもなったジャック・ケリー氏の
コラムに関する記事で、飢餓の東アフリカで出会った
兄弟の愛と命のはかなさに関する記事だ。

この記事を読んだ時は涙が抑えられなかった。
この本は割と淡々と読み進めれられるけれど、
「この本+何か」によって人は変われる。
そんな、世界への入り口みたいな本だった。

前述の山岡氏の記事を探していた時に、
飢餓・グレープフルーツをキーワードにした。
ダイエットの記事が山盛り検索されたよ。
あぁ、これが現実なのだな。



2.  とても良い 仮面ライターさん 書き込み日: 2006年06月25日

「悲劇」の旅の記録として


 辺見庸の作風は、鳥瞰的、抽象的、客観的ではなく、虫瞰的、具象的、意志的である。当書は、世界の人びとの「食う」という根源的な営みに自らの肉体を投じ、その「食う」という行為を通じて、世界各地に存在する「悲劇」の現場を息苦しいまでに描出している。

 辺見は実際、「噛み、しゃぶる音をたぐり、もの食う風景に分け入って、人びとと同じものを、できるだけいっしょに食べ、かつ飲むこと」(旅立つ前に)を己に課し、この想像を絶する峻烈なインパクトをもったルポルタージュを完成させ、私たちに突きつけた。

 彼は、ダッカの残飯、ミンダナオの人肉、チェルノブイリのボルシチなどで、飽食の時代を生き、偽りの平和の中で惰眠を貪る日本人に対して強烈な揺さぶりをかける。辺見の提示した現実は実に重たいのだが、若い人たちには是非とも読んで欲しい作品の一つである。



3.  とても良い hamaさん 書き込み日: 2003年03月15日

旅をし、喰う。

辺見庸の素晴らしいところは、その文章の緻密さ、というか細かいところだ。
普段、記事やルポにありがちな「大体を捉えて大まかな流れを書く」という事をせず、ただただ自分自身の感覚に素直になり、細かく感じ取って文章化しているところだ。しかし、しつこくない。

旅をし、ものを喰った文章。

それだけなのに、どうしてこうも文章の向こうに文化を感じ取らされてしまうのか。国々の歴史、風習、民族、治安、土地の匂い、、、それらが全て"食べる"ということを通して感覚として読者に伝わってくる。

そしてこの旅は、"旅行"ではなく正に"旅"というのにふさわしい行き方だ。

まずい飯も喰い、死にそうに混んだ列車にも乗り(日本のそれとは別格)、夕日を眺め、物を盗られ、危険にもさらされ、、、
だが、それらの体験がもの喰う人々を強烈に印象付けている。

どこに住んでいようがお腹は空く。だが「もの喰う人びと」は地域によって違う。それぞれに人の生き方が違うと言う事だ。辺見庸の文章を読んだ後では、真剣に「もの喰う人びと」について考えたくなる。



4.  とても良い きのこさんさん 書き込み日: 2006年05月14日

何を思いながら何を食べる?世界の人々、それぞれの場合。

いろんな所へ行っていろんな人が食べてる様子を 見に行きます。
食べるってのは世界中大抵の人が やってる事ですが、
それぞれの違いの大きさに 驚きます。
食材とか調理法って事じゃなく 「食べる」がその人の中で
どんな意味を持ってるかって事です。いろいろあります。
貧しいか金持ちか 戦場か山の奥地か
伝統か新文明か‥ その他さまざま。
違う条件にいる人々は 何を考え何を食うのかってことを
知ることができます。

おすすめは 
日本向け猫用缶詰のほぼすべてを作っている
タイの工場で
時給82円でカツオを解体する仕事をして、
毎日50円の昼食を食べている十六歳の女の子に

 「日本の猫のための缶詰を作っていることを
 どう思うか」 という質問をするところ。

けっこう衝撃的でした。そりゃむかつくよなあ。
でもそれが自分の食べ物を得るための仕事なんです。彼女にとっては。
自分の生活を外側から見るとこんなに異常なこと
してるんだなぁと気づかされます。読んでみてください。
下手な旅行ガイドより世界のことがわかります。



5.  とても良い 栗毛になりたいさん 書き込み日: 2003年06月13日

それでも毎日飯を食う

僕にとって一番印象に残っているのは、「世界最大のレストラン」を描い
た章だ。圧倒的なまでに多くの口という口が、ものに喰らいつき、噛み、
しゃぶり、栄養をこし取り、飲み込む。レストランの厨房からは次々と新
しい料理が湧いて出るかのように現れる。という場面だ。筆者の描写も見
事なのだろう。人類全員がものを食っているところを想像させられた。

エネルギーを取り入れるために食うという行為があるのだが、人がものを
食う姿というのはものすごくエネルギーを発している。この本を読んでか
ら、そのことを意識し始め必要以上に食うことに抵抗を感じるようになっ
ている。この本に登場した満足に食えない人びとは、日本に暮らす僕に

とっては、不幸な境遇としか思えないのもその!理由の一つではないかと思
う。

ダイエットにおすすめです。



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