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本のタイトル『緑回復の処方箋』。初めは少し「処方箋」という言葉に不思議な感じがしました。「処方箋」とはつまり、お医者さんに見てもらった時に出される、何の薬を何日間飲むかという、あの紙のこと。この本を読むと、なんで緑を回復させるために「処方箋」なのかがよーく分かります。本の内容は、大きく分けて二つ。前半は、横浜国立大学名誉教授で昨今「3000万本の木を植えた男」として有名な宮脇昭氏が長年の経験を基に書かれた、自然への思いや鎮守の森の大切さについてなど。そして後半は、日本各地における植生の様子を地域ごとに詳しくまとめたもの。これを読むと、どこの地域にはどのような木々が相応しいかが良くわかり、日本には間違って植えられた木々がたくさんあることに気がつきます。そして、その土地土地にはどんな種類の木を混ぜて植えれば緑が回復するかがわかります。つまり、病にかかった土地や森をどのような木々で回復させるのか、というのが「処方箋」という意味なのですね。
著者関連の本は今までにたくさん読みましたが、この本は少しだけ専門的な感じもするので(自分が文系だから尚更ですが)、もしも初めて著者の本を読まれるなら、『鎮守の森』(新潮社)や『魂の森を行け』(一志治夫著)を個人的にはオススメします。どちらかというと、この本は特に、これから実際に現場で植樹を行おうとしている方や、植生を学ぶ方にぴったりなのではないかと思います。企業や自治体などで植樹をすることが社会貢献としても広まっているようですが、その担当の方が読むと一層理解が深まって、本物の緑がどんどん増えるような気もします。いずれにせよ、日本全国の植生をひたすら現場で調査したという著者の活動はすごいものだと感じました。ぜひご一読を。