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1. とても良い |
アメセルさん |
書き込み日: 2003年10月23日 |
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夢十夜みたいなもの |
30の物語は、バッハのゴルドベルク変奏曲を連想させる。その場合、最初の物語と最後の物語はアリアと見るべきか。 「モモ」の世界を想像して、あるいは鏡という言葉から「鏡の国のアリス」を想像して読むと、ずっこける。 とりとめのない不思議な世界のオムニバスという点では、漱石の「夢十夜」に近いと言える。 あるいは、ビートルズのホワイトアルバムの「レボリューション9」とか、エリオット・カーターの弦楽四重奏曲を聴いている気分になる、と言ってもよい。 ユング的な、夢の光景のような描写が続き、しかも、あまり楽しげな印象はなく、どちらかといえばうなされるような、解決感のない夢である。一体全体、エンデはこんな作品を書いて楽しかったのか、と最初は考え込んでしまう。 この!本は、一見サンにやさしくはない。 最初に「なあんだ、陰気な本だナ」と思われても仕方がない部分はあるが、先入観も何もなく、感覚だけ働かせて読んでいくと、実はいろいろな色彩、エネルギーに満ちている。 その至福の瞬間が自分に訪れるまで我慢できるか、が勝負である。何年かかけて、じっくりと読み込んでいくようなつもりで。 感性の豊かな人にとっては、たまらなく魅力的な1冊となるであろう。 同時に、好き嫌いが相当はっきり分かれそうでもある。この本にどうしても馴染めなくても、それも1つの見識だろう。 「モモ」が、交通標識的な教訓をもたらすとすれば、「鏡の中の鏡」は、理屈ではない、夜の闇にドキドキするような生命的な感覚を呼び覚ましてくれる。その意味で、本当のファンタジー!だ。人間がもっと感覚的な存在であることを、自覚させてくれる。だから、あえて意図的に物語の論理性を崩壊させているようにも感じる。 なお、できることならドイツ語でも味わってみたい。エンデの言葉遣いはやや独特な印象を受けるが、「鏡の中の鏡」は、ドイツ散文詩として読んでも十分に楽しい。 |
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2. とても良い |
ニセ猫さん |
書き込み日: 2004年01月31日 |
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鏡の奥 |
30の物語が連想でつながって1つの大きな迷宮を作り出している。絵からのインスピレーションに基づくが、根底にはエンデの哲学が配置されている。 1つの言葉で語れるようなものではないが、あえて挙げてみると「待つ」ということかもしれない。カフカの主人公のように待たされる。 何を、 試験を、出番を、教師を、救いを、裁きを、破滅を、終わりを、帰還を、運命を 古い屋敷に響く柱時計の音のように、物語のなかに「待つ」ことが刻まれてゆく。そして、断ち切られる。 |
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