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プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 31


価格 : 903 円





クチコミReview一覧
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1.  とても良い rgz-91さん 書き込み日: 2002年11月01日

古くて新しい本

私がこの本を最初に読んだのは、およそ5、6年ほど前になります。うる覚えですが、確か社会科学論文の形式の原形となった本だそうで、論文の書き方を学ぶために読んだ覚えがあります。あまりの量の多さに、脚注をすべて飛ばして読みましたが、これでも内容を把握する上では十分でした。

最近読み返したのは、今更ながら欧米の宗教的文化に深い関心を抱くようになったからでして、とりわけ宗教上の原理主義や聖戦といった、日本人にはなかなか馴染みにくい行動原理を理解する上で、本書は少なからず役立つような気がします。また、依然として物議を醸す余地はあるにしろ、かつてわが国を含め世界中で巻き起こった学生運動の最中にも、本書を座右の書としていた人々がいたことも、内容を吟味する上で無視し得ないことでしょう。
もちろん、本書に書かれている内容はすでに反証されているとみるのが通説のようですが、何ゆえカトリシズムではなくプロテスタンティズムなのか、こうした問いに答えられるようになるだけでも欧米の文化を理解する上では、必ずや大きな一歩になるとだろう思います。



2.  とても良い kibashiさん 書き込み日: 2006年10月25日

併せて読むと理解が深まる一冊

論旨は商品の説明の要約にある通りなのだが、本書は日本人が理解しにくい(誤読しやすい)箇所がいくつかある。その大部分については訳者の大塚久雄氏の解説によりフォローされている。先入観無しに精読したい向きを除いては、まずは本書末の解説を先に読むと理解の助けになるだろう。特に「禁欲」「史的多元論」は正確に把握しておきたい。本訳と本解説についての大塚氏の功績は大きい。

しかし大塚氏の認識にも大きな誤りがあることが現在では指摘されている。その誤りとはヴェーバーをあたかも西洋近代合理資本主義の信奉者であるかのように受け取る通説で、大塚氏に限らずヴェーバー研究史においてドイツでも見られた通説だという。

そのあたりの、実は近代主義の批判者であったヴェーバーの一面を読み解くには案外難しく、本書を読み解くだけではさらに難しい(本書p365に“鉄の檻”として示唆されてはいるが。なにせ訳者でさえ誤認しているのだ)。このあたりの詳細は大塚氏の弟子である山之内靖『マックス・ヴェーバー入門』に端的にまとめられているので、併せて読まれたい。



3.  とても良い 親カッパさん 書き込み日: 2008年01月13日

すごく面白い本

社会学のマックス・ウェーバーの代表作

本来,この書を軽々しくレビューすべきでは無いとは思いますが,門違いの私には
とても面白い本として読めました.
原因は,訳者である,大塚さんの力量でもあるし,この本の趣旨がわかる年代に
私がなったせいなのかもしれません.
(私の偏見かもしれませんが)近年のアメリカの「儲ける事が善であり,
正しい行動の結果としてリッチになってゆく」の考え方とこの本は
真反対で,禁欲的なピューリタニズムが実は近代資本主義に大きく貢献した
との内容で,且つ,ざっと読む分にはそんなに難しい内容ではないので
読む前の難しいというイメージと違った.

本来は精読すべき本をななめよみで面白いというレビューにしてしまったが
読まず嫌いをするよりも,まずは斜め読みで面白さを感じるのも
良いのかなと思いました.



4.  とても良い 道化のひとりごとさん 書き込み日: 2008年03月21日

最後の人間、同時代への驚愕から生まれた研究

近代資本主義の精神は天職として仕事にはげむことを教えたプロテスタント諸派によって培われたとする長編論文。その出発点は、聖書の翻訳で「天職(Beruf)」という言葉を採用したルター。しかしルター派は生活環境(職業)に対する宿命論的な色彩が強く、職業活動への積極性は薄かった。これを転換したのがカルバンの思想的末裔であるピューリタンたちだ。彼らにとって地上の生活は神を賛美する場だった。それは神に選ばれた者である自己の救済を証明する試みでもあった。その中心点は自己の職業に打ち込むこと。そのため彼らは職業生活を「神の意志」に従い合理化しようとした。カトリックやルター派とは異なり、カルヴァン派では懺悔などの秘蹟が否定される。それは怠惰などの罪悪が最終的に赦される場が払拭されるということだ。そのため彼らの生活の合理化は隅々まで徹底されていく。この神の意志による人間世界の合理化は夫婦の性交渉など家庭生活の裏面にまでおよんだ。そこから素朴で自然な人間性ではなく、イギリス人などに見られる孤独で内面的な厳しさのある人格が形成されたという。ただし脱魔術化(Entzauberung)の最大の産物は、時間の管理や経済的節制などの資本主義的生活態度だった。このような資本主義の精神は経済社会が巨大な機構として自立するとともに、宗教的背景から歩みだし自立していく。そこからヴェーバーが最後に言及するニーチェの「最後の人間たち」(letzte Menschen)が登場する。それは彼の言葉では「精神のない専門人、心情のない享楽人」である。ヴェーバーをこの宗教社会学的研究に赴かせたのは何だったのだろうか。それは最後の人間たち、つまり同時代への驚愕だったのではないだろうか。



5.  とても良い 経営道探求者さん 書き込み日: 2003年05月10日

経営書としても示唆にとむ

大学時代に読んだ本書を20年ぶりに読み返してみて、経営書としても貴重な存在であると再認識した。

我々がビジネスをしている近代資本主義が、実は高い精神性を持った活動に裏付けられ誕生したことをウェーバーは提示するが、同時に彼は、一度成立した資本主義はその高い精神性が欠如しても存在しつづける構造を内在化しているとの歴史的アイロニーを指摘する。

日本企業の経営に高い精神性が欠如しつつあることを懸念する一経営者として、資本主義誕生の原点に触れることで、その思いをさらに強めることとなった。



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