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方法序説 (岩波文庫)

方法序説 (岩波文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 34


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1.  とても良い 石岡岩石さん 書き込み日: 2007年05月11日

近代学問の考え方の原点がここにある。

 この本は今から370年ほど前に著されたものですが、近代学問思想の原点が示されている古典です。
 もともと、当時のいわば先端科学技術に関する主著である「屈折光学」「気象学」「幾何学」の序として著されたもので、デカルト自身が、「この序説が長すぎて一気に読みきれないといけないから六部に分けてある(そんなに長いとは思えないのですが)」、と書いてあるほどですから、何が書かれているかは比較的容易に理解できます。
 しかし、その内容は、広く「何が真理で何が偽物なのか」について考えるための思想書で、その中身は、近代哲学の原点を含んでいるともいえると思います。
 本書の性格上、デカルト思想のダイジェスト的なものですので、その思想をさらに深く理解するには、或は、書かれていることの根拠を知ろうと思えば、「省察」などデカルトの別の著書を読む必要があると思います。
 例えば、数学を用いて物理学を研究すると何故真理に到達しうるのか、とか、何故(誠実な)神が存在すると信じるのか、とか、諸々ですが、その場合においても、結局デカルトは何がいいたかったのか、或は逆に、そう考えようと思ったのは何故なのかを知るための、ガイダンスとしても役立つと思います。



2.  とても良い kaizenさん 書き込み日: 2008年03月25日

我思う故に我在り

「我思う故に我在り」は、あらゆるものを疑ったとして、その疑っている自分自身を否定することができないものとして残ったという消去法的な考え方だと理解しています。
それ以来、この考えを超える考えに至っていません。
ただし、天上天下唯我独尊と何が違うかは解っていません。
きっと、デカルトを批判している人の書物を読まないと、超えられないのかもしれません。
哲学が専門ではないので、とても超えられません。



3.  とても良い お気に召すままさん 書き込み日: 2004年02月02日

野田訳と並ぶ名訳、しかし・・・

坪内、福田、小田島、松岡、河合など、連綿と続くシェイクスピアの名訳に比べて、哲学書には名訳が少なかった。長谷川訳ヘーゲルの登場などで事態は少し変わりつつあるが、デカルト『序説』の野田又夫訳もまた稀有の名訳である。そこに、歯切れの良い日本語で新たに谷川訳が加わった。谷川訳は、口語脈が加味されており、我々の日常の言葉遣いに近い。『序説』は、『省察』や『情念論』に比べて、一般読者を想定しているから、これは歓迎すべき事態である。が、問題がないわけではない。それは、我々自身にぴったりくる日本語自体が変化したために、日本語の「腰が弱くなった」という一面である。谷川訳は、「こんな」「たぶん」等の口語の他に、「ことだ」「ほどだ」「からだ」のように「・・だ」を多用する。しかし一定のまとまりの後には、当然、座りのよい「である」が来て、書き言葉と語り言葉が混在する。これは我々の感覚にぴったり来るだけ、その分「ねばり」が失われる。

有名なle grand livre du mondeの一節を比べよう。「こういうわけで私は、成年に達して自分の先生たちの手から解放されるやいなや、書物の学問をまったく捨てたのである。そして、私自身のうちに見いだされる学問、あるいはまた世間という大きな書物のうちに見いだされる学問のほかは、もはやいかなる学問も求めまいと決心して・・」(野田訳)。「以上の理由で、わたしは教師たちへの従属から解放されるとすぐに、文字による学問[人文学]を放棄してしまった。そしてこれからは、わたし自身のうちに、あるいは世界という大きな書物のうちに見つかるかもしれない学問だけを探究しようと決心し・・」(谷川訳)。谷川の「世界という大きな書物」という訳は素晴らしい。が、文の流麗さという点では野田訳か。



4.  とても良い ひゅうが あおいさん 書き込み日: 2005年02月28日

ここから人間としての人生が始まるのかも

今、現代社会の根底に広く浸透している思想は、
この一冊を抜きにしては語れない。

諸悪の根源というひともいるが歴史的功績は多大であり、
問題点のエッセンスが集約されている点でも、
今尚その重要性は衰えていない。

これは哲学書ではない。
万人必読の書である。
ここからすべてが始まるのである。



5.  とても良い furafuraさん 書き込み日: 2007年02月23日

近代哲学の父

 哲学者として有名な、デカルトの著書。本著は6部に分かれている。
 第1部では、学問に関する考察。最初に、「良識はこの世でもっとも公平に分け与えられているものである」と述べる。そして、デカルトは文字による学問を放棄し、「世界という書物」から学ぶ事を決意した。
 第2部は、炉部屋での思索によって見い出した法則等が書かれている。デカルトは、それまで信じ込んできた考えを、一度きっぱり捨てる事を決意した。しかし、それに適さない精神状態についても述べる。そして、4つの規則を生み出す。
 第3部は、道徳上の法則について。自分の国の法律と慣習に従う事、一度自分で決めた意見には従う事、運命よりむしろ自分に打ち克つ事、を3つの格率とする。「最善を尽くしたのち、成功しないものはすべて、われわれにとっては絶対的に不可能ということになる。」という言葉には納得してしまう。そして、全生涯をかけて自分の理性に従い、自分に課した方法で、真理の認識に前進する事が、最善の仕事と考えた。
 第4部は、形而上学的な考察。すべてを偽と考えている間も、考えている自分は何ものかでなくてはならない。そこで、「我思う、ゆえに我あり」という超有名フレーズの登場だ。また、われわれが明晰かつ判明に理解する事はすべて真であると述べる。神が完全な存在者であり、われわれのうちにあるすべては神に由来すること、をもとにその事柄を証明する。
 第5部は主に心臓の運動に関する供述。デカルトは、解剖学にかなり熱心だったようだ。心臓が体中で一番熱い場所であると考える。また、動物には理性が無いことを示す。
 そして最終部では、自然の探求に関する、デカルトの考えを見ることができる。デカルトの述べる哲学の原理は、他の哲学者と違って、単純かつ明証的であることがわかる。
 やはり、哲学らしくイメージしにくい部分が多いが、デカルトの哲学の芯となる部分が本著でわかるのではないか。



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