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方法序説 (岩波文庫)

方法序説 (岩波文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 35


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1.  とても良い kaizenさん 書き込み日: 2008年03月25日

我思う故に我在り

「我思う故に我在り」は、あらゆるものを疑ったとして、その疑っている自分自身を否定することができないものとして残ったという消去法的な考え方だと理解しています。
それ以来、この考えを超える考えに至っていません。
ただし、天上天下唯我独尊と何が違うかは解っていません。
きっと、デカルトを批判している人の書物を読まないと、超えられないのかもしれません。
哲学が専門ではないので、とても超えられません。



2.  とても良い 読書猿さん 書き込み日: 2004年09月21日

哲学は、涙をこらえるくらいに、むずかしい

  ウィトゲンシュタインは、哲学のむずかしさを「何かを断念する困難さ」だと言っている。彼のことばでいえば、「哲学は、涙をこらえたり、怒りをこらえたりするのと同じくらい」むずかしい。

 そしてこれは哲学書の「難解さ」とはてんで別の話だ。何故哲学書が「解り難い」かといえば(実に多い日本語未満の翻訳を別にすれば)、他の哲学書をやっつけようとするからだ。そのために自分以前の哲学の要約や曲解、批判や中傷を、哲学書の中に組み込むことになり、うじゃうじゃと入り組んだものになってしまうのだ。

 西洋の中世あたりには、「自分以前の哲学」は、「問題」の形になっていた。あらかじめ「問題」が用意されていて、これらの「問題」を考えることだけが、本当に考えること(哲学すること)とされていた。デカルトはそんなことはやらなかった。そうすることが「哲学すること」だとしたら、そんな哲学を「つづける」ことなどデカルトはしなかった。デカルトがやったのは、「つづける」こととは反対に、「はじめからはじめる」ことだった。
 彼は問題についての思考なんかでなく、自分がどうやって「本当に考えること」をはじめたか、どうやって「はじめる」に至ったかを書いた。「どうやったか」が彼の哲学であり、それ故にこの書には「方法」の名が与えられるだろう。

 デカルトの「方法」は「難解」ではない。そして同時にそれは涙をこらえるとの同じくらいに「むずかしい」。なんとなれば、デカルトの懐疑は、「はじまり」にまで一旦立ち戻るために、うざったい伝統的哲学はおろか日頃親しみ慣れたものごとについてまで、不断の断念を(それは同時に決断でもある)を要求するからだ。



3.  とても良い 石岡岩石さん 書き込み日: 2007年05月11日

近代学問の考え方の原点がここにある。

 この本は今から370年ほど前に著されたものですが、近代学問思想の原点が示されている古典です。
 もともと、当時のいわば先端科学技術に関する主著である「屈折光学」「気象学」「幾何学」の序として著されたもので、デカルト自身が、「この序説が長すぎて一気に読みきれないといけないから六部に分けてある(そんなに長いとは思えないのですが)」、と書いてあるほどですから、何が書かれているかは比較的容易に理解できます。
 しかし、その内容は、広く「何が真理で何が偽物なのか」について考えるための思想書で、その中身は、近代哲学の原点を含んでいるともいえると思います。
 本書の性格上、デカルト思想のダイジェスト的なものですので、その思想をさらに深く理解するには、或は、書かれていることの根拠を知ろうと思えば、「省察」などデカルトの別の著書を読む必要があると思います。
 例えば、数学を用いて物理学を研究すると何故真理に到達しうるのか、とか、何故(誠実な)神が存在すると信じるのか、とか、諸々ですが、その場合においても、結局デカルトは何がいいたかったのか、或は逆に、そう考えようと思ったのは何故なのかを知るための、ガイダンスとしても役立つと思います。



4.  とても良い お気に召すままさん 書き込み日: 2004年02月02日

野田訳と並ぶ名訳、しかし・・・

坪内、福田、小田島、松岡、河合など、連綿と続くシェイクスピアの名訳に比べて、哲学書には名訳が少なかった。長谷川訳ヘーゲルの登場などで事態は少し変わりつつあるが、デカルト『序説』の野田又夫訳もまた稀有の名訳である。そこに、歯切れの良い日本語で新たに谷川訳が加わった。谷川訳は、口語脈が加味されており、我々の日常の言葉遣いに近い。『序説』は、『省察』や『情念論』に比べて、一般読者を想定しているから、これは歓迎すべき事態である。が、問題がないわけではない。それは、我々自身にぴったりくる日本語自体が変化したために、日本語の「腰が弱くなった」という一面である。谷川訳は、「こんな」「たぶん」等の口語の他に、「ことだ」「ほどだ」「からだ」のように「・・だ」を多用する。しかし一定のまとまりの後には、当然、座りのよい「である」が来て、書き言葉と語り言葉が混在する。これは我々の感覚にぴったり来るだけ、その分「ねばり」が失われる。

有名なle grand livre du mondeの一節を比べよう。「こういうわけで私は、成年に達して自分の先生たちの手から解放されるやいなや、書物の学問をまったく捨てたのである。そして、私自身のうちに見いだされる学問、あるいはまた世間という大きな書物のうちに見いだされる学問のほかは、もはやいかなる学問も求めまいと決心して・・」(野田訳)。「以上の理由で、わたしは教師たちへの従属から解放されるとすぐに、文字による学問[人文学]を放棄してしまった。そしてこれからは、わたし自身のうちに、あるいは世界という大きな書物のうちに見つかるかもしれない学問だけを探究しようと決心し・・」(谷川訳)。谷川の「世界という大きな書物」という訳は素晴らしい。が、文の流麗さという点では野田訳か。



5.  とても良い 涜書家さん 書き込み日: 2003年10月16日

優れた知的遍歴

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