とても良い / 口コミ件数 : 39件
価格 : 840 円
1963年に初版が発行された歴史ある本です。私は「原文を手元に置きたい」という考えから購入しました。 「論語」を解説した本はたくさんありますが、その中でこの本は「敢えて解説を極力減らした」書籍と言えます。 よって現代社会に通じる例示などはなく、古典の教科書のような「原文・書き下し・現代語訳・語注」による構成です。 尚、語注は巻末にまとめるタイプではなく、その都度そのページに書かれているので読みやすいです。 この本の場合、実生活への活用に結びつけるのは読者それぞれの役割になるため、 先入観のない自分独自の理解をしたい人にはお勧めかと思います。 また、巻末に「語句索引」がついており、辞書のように使うこともできるので便利です。
論語の解説書は多く出版されているので、内容を詳しく知ろうと思えば、解説書を読めばいいと思います。この本はできる限り、訳を単純にしているのでわかりにくいということもありますが、その分、奥が深い味わいがあります。 特に書き下しで読んでみると、論語というのはなんともいえないよさがあります。ですから、基本は書き下しで読んでみて、意味のわかりにくいものは訳を参考にしてみるという読み方がよいと思うのですが、この本はそうするのにもってこいだと思います。
購入してから随分と経ちますが、気になったところに付箋を貼りながら読了し、暇な時にパラパラとめくったりします。すると「ああ、そうだった」とその部分を読んだ時に抱いた自戒を思い出して頭を掻いたりしています。難しい内容までは分からない私ですが、それでも折に触れて読みたくなります。自分が人生に迷った時、答えを自分で見つけ出さなくてはならないと分かっていながらも、隣でふと呟いて、背中を押してくれる一言一言にあふれています。そしてそれを参考に、自分の歩き方を模索していくのが良いのではないでしょうか。お堅い本、と決め付けずに一度読んでみてはいかがですか?
こういう書物をひもとくときの人間の欠点は、読む前に解説書と称するもので理論武装してしまうことである。たしかに、難解で知られる現代哲学書などは、予備知識がないとまったく理解不能ということがあるかもしれない。しかし、本書のような、専門家に宛ててのみ書かれたような特別な書物ではない「ふつうの本」の場合には、余計な先入観を持っては却ってきちんとした読解の邪魔になる。 ということで、漢文がきらいな方は読み下し、あるいは翻訳だけでもいいので、こちらを一読して頂きたい。例えば、「他人を愛する」順番として、孔子は「近親関係にある人間と、遠方の他人とは愛の度合いが違って当然だ」と言い切っていたりするが、キリスト教博愛主義から派生した西欧的倫理観を持って、「やはりキリスト教道徳の方が優れている」という論法は、はじめから価値観を内在した物差しでモノを測っているという、やってはいけない議論の仕方であることがわかるだろう。また「怪力乱心を語らず」というのは、人生のみならず哲学においても立派な処世だという評価はできないのだろうか。怪力乱心以外に時間を費やすべき有効な対象は他にあるからである。 このように、是非読者ご自身で解釈してみることをお勧めしたい。なお、本来の読み方は「素読」である。読み下し文を暗記してしまうことだ。音読するときには独特の「ルール」があることは知っておきたい(「曰く」は「のたまわく」と読むのが古来からのやり方だ)。
63年の初版以来、半世紀ちかく版を重ねてきた論語解説のスタンダード、といってもいいだろう。 原文ひとフレーズごとに漢文、読み下し文、語注、訳文、という体裁で、特徴的なのは著者による解説を極力廃し「翻訳」に徹している点であろう。しかもそうであって、意味はちゃんととれる。実はこれはかなり大変なことである。たとえば小川環樹氏の『老子』は、訳文を読んでもほとんどチンプンカンプンである。もっとも、小川氏の翻訳がまずい、というわけではなく、老子そのものが難解なんだとは思うが、いずれにせよ、この手の中国の古典の翻訳を読んで、筆者のようなフツーの人がフツーに意味がわかるというのは、なかなか、ない。 日本人の国民的・民族的ものの考え方のベースには、やはり儒教(江戸期は朱子学)の影響が色濃く残っている。われわれ日本人の民族思想のルーツのひとつとして、論語には一度は目を通しておきたい。その教科書として本書はお勧めに十分値する良書だと思う。