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罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

とても良い / 口コミ件数 : 35


価格 : 798 円





クチコミReview一覧
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1.  とても良い けいとんさん 書き込み日: 2005年05月30日

読みやすい

 新潮社(工藤訳)より、こちらのほうをお勧めします。特に初めて読まれる
方や、本を読むと目が疲れるという方には特に。理由は以下の通り。
 新潮文庫は見開き41字×36行で上下巻。岩波文庫は見開き39字×32行
で上中下巻。紙の色も岩波のほうが読んでいて眩しく感じなかったです。
 訳ですが、私はどちらも味があって好きなのですが、岩波の江川訳のほう
が読みやすいと感じました。
 また、江川のほうは巻末に結構詳しい訳注があり、参考になります。
 この作品は著者の中で一番好きですね。これから入って他も読むようにな
りました。人物の思想が絡んだ心情は実に緻密で、よくもここまで表現でき
るものだ、と思いました。主人公に限らず一人一人の人間が濃いです。
 一生のうちで読んでおかなければならない本だと思います。できれば若い
うちに。何度読んでもその都度違った味がしていいものです。
 内容は、文句無しの星五つ。読みやすさも五つでいいかと。それから文字
の大きさですが、多分同じでしょう。なんとなく岩波のほうが大きい気もす
るのですが。



2.  とても良い 平野武蔵さん 書き込み日: 2006年04月07日

「罪と罰」とは何か?

なぜ人を殺してはいけないのか?
果たしてこの問いに答えはあるのだろうか?
答えがあったとして、それは正解なのだろうか?
ドストエフスキーはこの問いに答えを出さない。代わりに、殺人を犯した人間の苦悩、葛藤、憔悴といった心理状態を執拗なまでに描写してみせる。
難関な哲学的言説で根拠不明な答えを示すのと、答える代わりに、覚めることのない悪夢のような心理描写を連ねるのと、どちらが人の心に多くのことを訴えかけるだろうか?
罪とは何か? また、罰せられるとはどういうことなのか?
自分自身で答えを出すためにこの本は読まれなければならない。



3.  とても良い beatrisさん 書き込み日: 2006年04月28日

こんな人におすすめ

・ 平凡な日常に飽き飽きしている
・ 自分自身に対して何かやるせない衝動にかられる事がある
・ 自分は他人とは違う類の人間だと思った事がある

・ 「飲んだくれる恥ずかしさを紛らわすために酒を飲む」心理に何となく共感できる
・ 一途な男の友情にほれ込みたい
・ 家族の愛に涙したい
・ 卑小でくだらない悪役に激怒したい
・ 一見まともなのにかなり異常な人間に出会いたい
・ 全てを受け入れる深い愛に感動したい
・ 詳しすぎる心理描写に辟易しつつもはっとさせられたい
・ 読めば読むほどはまりこめる主人公に出会いたい

・ 今はサスペンスより重厚な人間ドラマが読みたい
・ どうせなら登場人物は美形が多いほうがいい
・ 刑事コロンボが好きだ
・ 友人に「『罪と罰』って面白いんだよ」と言ってみたい
・ S潮社版とI波文庫版どちらを買おうか悩んでいるが読み比べられず困っている
・ エンタメ要素と人間の真理を平行して書ける作家に出会いたい

・ 長くてもいいから、とにかく面白い小説を読みたい



4.  とても良い 藤原翠蓮さん 書き込み日: 2007年02月19日

名作ですね

 個人的には訳者の日本語訳が、良い。

 なかなか外国文学を訳すと堅苦しくて情緒もない文体に
 なりがちなんですけれども、江川卓さんは素晴らしいなぁ、と思いました。

 こちらは物語重視の訳、で、ドストエフスキーが原本にさりげなく入れていた
 時代背景やあらゆるゲマトリアに関しては、江川卓さんの「謎解き 罪と罰」
 の方に記してあります。
 
 二冊セットで読むと、倍楽しめます。



5.  とても良い 玲瓏さん 書き込み日: 2007年04月07日

感動的な魂の救済物語

ドストエフスキーの代表作であると共に世界文学の代表作。原罪を背負った人間の魂の救済を描いた物語であり、熱心なキリスト教徒であるドストエフスキーの本領が遺憾なく発揮された作品。個人的見解だが、初めはもっと短い物語にするつもりだったのが、作品の構想が雄大・崇高になるに連れ、物語が変容していったと思う。

自分を超人と考える主人公ラスコーリニコフ(=アンチ・キリストの意)。自分のような超人なら金持ちの老婆を殺して金を奪う事くらい何でもない。そう考え実行するが、思いがけず老婆の妹も殺してしまう。この計画外の殺人が、彼に罪の意識を芽生えさせ、自らを(何らかの方法で)罰する。最初は、この辺で話を収束させるつもりだったのではないか。ところが、殺人を犯した事によって、超人から唯の凡人に引き戻されたラスーコーリニコフを描いているうちに、キリスト教的魂の救済物語に構想が発展したのだと思う。老婆の妹殺害の挿話は途中から語られなくなる。最初は単なる端役だった「聖なる娼婦」ソーニャは途中から「聖母マリア」に変容する。そして、ラスコーリニコフは何と世間の罪ある人々の罪を一身に背負ってシベリアに行くのである。まさに、キリストの姿を彷彿させる。

そして、ドストエフスキーの素晴らしさは、思想の崇高さを秘めながらも表面的に面白い物語を提供してくれる事である。本作のラスコーリニコフの尋問場面をヒントにして乱歩は「心理試験」を書いた。誰が読んでも面白いのである。通俗的に読んでも面白く、深読みすれば思想性が胸に迫る世界文学が誇る傑作。



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