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フランクリン自伝 (岩波文庫)

フランクリン自伝 (岩波文庫)

良い / 口コミ件数 : 13


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1.  とても良い Bibliothekarさん 書き込み日: 2004年01月12日

アメリカ資本主義の父

ベンジャミン・フランクリンはアメリカ資本主義の父とも言われる存在であり、その多方面での活躍ぶりを自ら書き記したのが本書である。18世紀のアメリカには高等教育を担う大学は十分ではなく、ラテン語学校が中等高等教育を担っていたともいえる。フランクリンは、ボストンに生まれ、この地で教育を受け、兄の印刷所を手伝いながら成長してゆく。17歳のときにボストンを家出同然に出奔し、フィラデルフィアで苦労を重ねながら、印刷所を起こし、成功を収める。その一方で植民地の内政にも関与し、後の独立戦争にも関わる。フランクリンの成功の影には、本人の才能もあるが、ブレーンを大事にし週1回の勉強会を開催するための会員制図書館Library Company of Philadelphia(現在は研究図書館として現存する)を運営したことであろう。これは後の独立宣言が起草されるさいにも大きな役割を果たす。他にも電気の発見に繋がる様々な実験やインディアンとの紛争調停や内乱を経験しながらも、アメリカ独立前後の国政にも、植民地宗主国イギリスとの交流にも大きな役割を果たす。
本書は息子と彼の子孫のために書かれたものである。しかし、フランクリンの成功談としての本書は、のちにドイツの社会学者マックス・ウェバーが主著「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」に援用したとおり、アメリカ資本主義の原点とも言われている。昨年アメリカでは新たなフランクリンの伝記が刊行されたが、本書を読んでおくことで18-19世のアメリカ史、アメリカ資本主義とアメリカの宗教史として読むことも可能である。フランクリンの墓所は、フィラデルフィアのクエカー教徒の墓所に道を隔てて眠る。また東隣にはアメリカ財務省の造幣局(硬貨のみを鋳造)に近い。彼は紙幣を考案した著作が最初のものである。彼の生前の著作は上述の会員制図書館がすべてを収める。フィラデルフィアの街並みを思い出しながら、楽しく読めた自伝であった。



2.  とても良い cosmos5さん 書き込み日: 2006年03月23日

人類史上もっとも多才に活躍した人の1人

  ベンジャミン・フランクリンが学校に行ったのは8歳から10歳までのわずか2年。その後ロウソク職人をへて印刷業にかかわりさまざまなことに手を染めていきます。  
  新聞を発行し評論家としての名前をあげる。
  格言つきの暦を発行して出版業者として成功を収める。
  郵便制度の整備・図書館建設・大学設立・学術協会の設立などを行い社会改良家として活躍。
  雷の発生しやすい日に凧を上げ、稲妻が電気現象であることをつきとめる。避雷針を発明。ストーブを改良。遠近両用眼鏡の考案。避雷針と遠近両用眼鏡は現代人も重宝して使っています。雪の上に白い布と黒い布の両方をおいてどちらの雪が早くとけるかを観察して夏には黒色の衣類はさけて白にしたほうがよいことを実験で確認。
  フランス語をマスターしてフランス大使となってイギリスとの独立戦争のとき、フランスの支持を取りつけ援軍の派遣を勝ち取る。
  肩書きは、印刷家・評論家・社会改良家・出版業者・科学者・発明家・外交官・政治家・哲学者と9つにもおよびます。
  忘れてはならないのは、ベンジャミンは学校には2年しか行っていませんが、世界の最もすばらしいほとんどすべての書物はしっかり読んで自分のものにしていたのです。学校に行かないことが勉強しないことではなく、当時の世界一流の本を子供でありながら、学校に行っていた人よりたくさん、正確に理解しつつ読み切っていたのです。人類の叡知の最高の到達点をしっかりおさえて毎日毎日考えつつ歩んでいたのです。
  もっと正確に言うとベンジャミンは、自ら人類の最高の到達点をさらに一歩前に進めるために、人類が今どこにいるかを知ろうとして世界最高の書物を手にしていたように思う。
  さすれば、やっぱり偉大な人の真に偉大なところは、自分の幸せの前に他人の幸せを作ろうとする人間のみに特有な特質を持った人である、と言うことにつきるのではないだろうか。



3.  とても良い 小僧さん 書き込み日: 2008年09月19日

読みごたえある自伝。

アメリカ建国の功労者の一人であり、雷が電気であることを発見した科学者にして、外交官、そして一代で成功した資産家でもあったベンジャミン・フランクリンの自伝。いかにして親下を飛び出して出版業者として成功を収めていったのか。その過程を追体験する中で流動的にして活力に富む植民地期のアメリカの雰囲気が伝わってくる。北米における英仏スペインの緊張が高まる中、13植民地もそれぞれ紛争の渦中に置かれていく。指導者の一人として、政治と軍事の両面で東奔西走する様も非常に読みごたえがある。

特に印象的なのは第六章の十三徳樹立であろうか。「道徳的完成に到達しようと」企図し、達成されるべき目標としての13徳を設定し、それをクリアーするために合理的な方法を考案し、自らに課す。アメリカ的プラグマティズムの権化を見るかのような思いにとらわれる。マックス・ウェーバーがその著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において本書を取り上げたのもうなづける。

所々に人生において成功をおさめるための教訓や人間関係の機微がちりばめられている。その一つ一つがまたいい。彼の合理主義・勤勉さ・寛容さ・忍耐・・・建国期のアメリカ史を知る上で必読の書であることは言うまでもないが、人生の教訓の書としても色々と教えられる気がする。



4.  とても良い ボサノバ巨匠の隣人さん 書き込み日: 2008年12月03日

難解な言葉遣いと確かな内容

言葉遣いが難解だなというのが第一印象(笑
だから余計に気合が入りました。

自伝なのに、こうも人生のバイブルとして有名なだけあります。
つまり、彼の人生がそれだけ充実していたということですよね。

TQを読んで、
「13の徳」を知り、
そこから興味を持って読んだのですが、
本当に読んでよかったと思うとともに、
彼らが提唱する価値観の普遍さに改めて感じ入りました。

人生を充実させるための知恵を体系化したものもよいですが、
チェスターフィールド卿の「わが息子よ、君はどう生きるか」と同様、
一人の偉人にフォーカスし、彼らの生き方から学ぶのもよいなと感じさせる一冊です。



5.  良い ひろ×3さん 書き込み日: 2006年07月15日

徳の身につけ方

13徳で有名なフランクリンの自叙伝だ。
勤勉で極めて合理的な考え方が随所に現れている。

箴言的なものいいも興味深い。
「確かなことでも確信なげに話せ」
「不遜な言葉には弁護の余地がない」
「一度面倒を見てくれた人は進んでまた面倒を見てくれる。こっちが
恩を施した相手はそうはいかない」など。

また13徳に関しては、「完全に道徳を守ることは、同時に自分の
利益でもあるというような、単に理論上の信念だけでは過失を
防ぐことはとうていできない。〜まずそれに反する習慣を打破し、
良い習慣を作ってこれをしっかり身につけなければならない」
と述べている。

そして徳を身につけるための具体的な方法が綴られる。
毎日、手帳のチェックシートを使って徳を身につけるそのやり方は、
日本人からすると違和感を覚えないではないが、確かに合理的な方法
ではある。

いかにもアメリカ的、プラグマティズム的だが、凡人が良い習慣を
身につけようとする時、最も効率的な手段かもしれない。

フランクリンの13徳の身につけ方についてはいろんな本が出て
いるが、やはり元となっている本書を読むことをお勧めする。
その方が背景にあるフランクリンのものの考え方も分かるからだ。
時間のない方は13徳の部分だけ拾い読みするのもいいだろう。



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